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ふむ……考えも致しませんでしたわね。
そこまで拘っているつもりもありませんでしたけれど、特に必要も感じませんでしたので。
……先生は、髪が短い方がお好きで?

(昔は結う為に長いのが当たり前だったと言うのもありますけれど、と今も緩く結い上げてある髪の毛に触れ)

だとしたら、先生が私の稚気を呼び戻しているのですわ。
――そのような事を言われると、違うものまで呼び起こされて……しまう、わよ。

(お湯の中、手を伸ばすまでも無い距離の先生の太腿に手の平を置いて)

……お褒めに預かり光栄ですわ、とだけ。
なるほど……けれど、少しばかり申し訳ありませんわ。お土産をあれもこれもと頂いてしまって……
……はて、慌てていたので周りを見る余裕までは。
まあ、ゆったりと心身の疲れを洗い落とせるだけでも良し……と言う事にでも、致しましょうか。

(またそんな、と少しばかりふくれて見せながら、また来たい――と言う言葉には頷きを返し)

それでは……海の幸を肴に一献、と致します?
……それとも、もう少し暖まりたい?

(淡く色づいた先生の頬を横目に、悪戯な笑みを浮かべた)


【昨晩に引き続き、こちらをお借り致します】
【では、宜しく……ああ、「どうするか」はお任せ致しますわ、先生。(くすり】