>>56
(ちゃぷんとお湯にたゆたいながら外を眺めていると)
(カララ…と脱衣所からの戸が開く音に、ピンク色の髪を揺らしながらそちらに振り返る)
ひゃ…わ わああ!
(髪の毛が濡れたままこちらに真っすぐと歩いてくる少女に)
(この間見た夏のホラー特集のテレビから出てくる女性を思い出して思わずお湯の中で大きく体を跳ねさせる)
さ…さだ…………っ   …
(髪の間から垣間見えた目は見開いたようなそれではなく、よく知った友人の涼しげな目元のそれで)
ほ ほむら…ちゃん?
(思わず目をぱちぱちと瞬かせると浴槽から勢いよく立ち上がり)
ほむらちゃん?ほむらちゃんだよね…!
(そのまま感動の再開さながら小さな足音を響かせて少女に歩み寄り)
(少女がお湯に浸かり体を温めるよりまえに、雨で冷えた体をお湯から上がりたての体が抱きついて迎える)

久しぶりだね…!会えて嬉しいな!!
(嬉しさにさえずるようなはしゃぐ声で再開を喜び、柔らかく体を抱きとめてから)
(手をとって、一通りはしゃいだ後で、もしかして人違いだったら…と)
(お風呂に入ろうとしてた邪魔をした上に、裸でいきなり抱きついちゃったりしてどうしようと)
(考えがグルグルと巡り小さく体を萎縮させる)
え…と、ほむらちゃん で いいんだよね…?

【え…わわわ、わわわわわ ま、まさか会えると思ってなかったからびっくりしちゃってごめんね 私でよかったら一緒に入りたいな】