ははっ。仰せのままに。えりな様の支援があれば、このブランドの質が落ちることはないでしょう。
生産者の情報と連絡先もお教えいたしますので、もし個人でご入用の場合は、ご利用下さい。
(写真を回収し、代わりに必要な情報の記された書類を出しておく)

生蛞蝓のカクテル……でございますね。かしこまりました。少々お待ちを……。
(給仕は一度退出すると、シェフを引き連れて戻ってくる)
(シェフは、ミキサーやカクテルグラス、陶器の壷の載ったワゴンを押して来ていた)
お待たせしました。これから、えりな様の目の前で、シェフに調理を実演させます。
どうぞ、ナメクジが麗しい料理になる様を、ご鑑賞下さい。

(シェフが、壷のフタを開け、中身をえりなに見せる)
(中に入っていたのは……何十匹もの、ウジョウジョ蠢く、生きたナメクジの群れ)
(何か、茶色く変色した汚いぼろきれのようなものにまとわりついているようだ)
生産地で採取された養殖ナメクジは、キモオタが三週間ずっと履き続けたブリーフと一緒に壷に
詰められ、こうして配送されてきます。ナメクジの粘液にまみれていても、ウンチカスや小便の
黄ばみの臭いが漂ってきますでしょう?
……おっと、生産者はえりな様がお召し上がりになると聞いて、サービスをしてくれたようです。
贅沢な隠し味も壷に入っていましたので、これもグラスに飾らせてもらいましょう。
(シェフが、トングでまず、五、六匹のナメクジを壷から出し、グラスに盛る)
(そして、『贅沢な隠し味』……精液の入った、使用済みコンドームも、同じように取り出し)
(グラスのふちに引っ掛ける)
次に、ミキサーにかけたナメクジソースです。
(同じように、ナメクジを壷から取り出し、ミキサーに入れる)
(更に、壷の中に入っていた汚れブリーフも取り出し、軽く搾って、そのエキスをミキサーへ)
(ガーーーっと、ミキサーの中で、えりなの目の前で、グチャグチャに粉砕されていくナメクジ)
(出来上がった黄土色の汚い汁を、ナメクジが蠢くグラスに注いで……出来上がり)
(汚液の中に、ナメクジが苦しげに泳ぎ、グラスのふちにはコンドーム)
(更に、水面には陰毛らしきものまで浮いている)

さあ、えりな様。ご所望の品です。一流の材料と、一流シェフの創意工夫の賜物です。
どうぞ、お楽しみ下さい。