>>520
お湯や茶器の温度、時間が少し変わっただけで味に影響が出るんだ。
だからこそ、美味い紅茶が入った時の喜びも大きいけどな。
(テーブルのカップを指で指し示すと淡々とした口調の中にもどこか楽しげな響きを織り交ぜ)
(時間が経った為か、湯気の消えた紅茶を気にしつつスコーンの皿をずいと押し付ける)
(悲鳴にも似た声は意に介さず皿を近付ければ、炭化したスコーンを摘まみ上げる姿を満足げに眺め)
紅茶に砂糖を入れない奴も多いからな。
だから今回のスコーンはベリーで酸味と甘みを強めにして……どうだ?美味いだろ。
(スコーンが口内へと消えるとレシピを語りながら感想を求めるも、期待とは違う表情に眉尻を落とし)
(皿に零れた焦げ滓を指先で拭い取ってしげしげと観察。調理の際にミスでもしたのかと考え込む最中)
(咳きに混じって届く声に顔を向ければ口元へ寄せられたスコーンに目を瞬かせ)
死人ってどういう意味だよ。つか他の連中は普通に美味いと言って食ってるぞ。
味見もちゃんとして……。
(苦しそうな表情を目にすると強くは出れないものの料理への指摘には口をへの字に曲げて反論し)
(不承不承といった面持ちで顔を寄せてスコーンに齧りつく)
(ざく、ともがり、ともつかない食べ物には不釣り合いな擬音を立てながら仏頂面でスコーンを咀嚼し)
(口内に広がる独特の風味を味わうと僅かに眉を寄せるだけで飲み込んで)
(口の端を指先で拭ってからティーカップに手を伸ばすと唇を寄せ、温い紅茶で喉を潤した)
……少し焦げたのは認めるが、食べれないほどでも…。
少なくとも死人が出るほどじゃないだろっ。
(多少譲歩はしたもののプライドが勝ると微妙に音量を抑えつつも乱暴に呟いた)

【あ?スコーンには誘われてくるだろ!つかそれならお前には良いアイデアがあるのかよ】
【…初対面で俺のスコーンが食えるなんてラッキーだな。泣いて喜ぶとは思わなかったが】
【Thanks.まあ、こっちの時間は平気だから気にするな。眠気が来た時はさっさと落ちると思うし】