>>522
あー…少し焼き過ぎちまったからな。酸味は飛んだんじゃないのか。
他の奴なら兎も角、お前も味覚だけは確かだからな…。
(予定した味が否定されると眉尻を持ち上げるが、隣人同様に料理に煩い相手に正面から反論するのも躊躇われ)
(口元に押し当てられた、良く焦げたスコーンと睨めっこしつつ考え込んで)
(促されるままに口を開いて一口齧り取り、物騒な音と共に噛み締めるように慎重に咀嚼する)
(相手のように表情は変えないものの美味そう、といった形容詞からも程遠い面持ちでスコーンを食し)
お前、さっきから失礼なんだよ。俺の料理を美味いって言う奴もいるんだからな!
それに焦げたからこんな音になってるだけで、…。
…っ、あの髭は料理だのワインだのにばっかり情熱注いだせいでへたれたんだろ。
あいつみたいになるくらいなら、料理が不味い方がマシだ。
(要所要所で不本意な単語が届くとカップに掛けた指をぴくりと揺らし、紅茶で唇を濡らして不満を飲み込む)
(見事に黒く塗りつぶされたスコーンの断面を突き付けられると流石に言葉に詰まり)
(視線を泳がせるが腐れ縁の隣国が引き合いに出されると反射的に声を荒げ、一気に捲し立てる)
(忌々しげに舌を打つと遠くへと寄せられたスコーンに唇を尖らせ、精神安定を求めるように紅茶を口にするも)
(肩を掴むほど真剣な眼差しには呆気に取られ、勢いに押されたように頷き)
…別にデザートなんてどこでも……分かった。次はデザートの食べ比べだな。
スターゲイジー・パイでも作ってきてやるよ。

【レディに釣られてくるのってお前とかフランシスだろ。あー、何か芸でもすれば良いんじゃねえ?】
【…だから不満言ってるのはお前くらいだからな!文句言うなら食わなきゃ良いだろっ】
【まあ、時間的に俺もそう長くはなさそうだが。とりあえず寝落ちはしないぞ、返事が遅くとも寝てないとは主張しとく】