>>25
…………。
(同僚教師の不敵な笑みが華澄の背筋を凍らせる。)
(優位な立場を築き、悠然と近づいてくるその威圧感は圧倒的で、華澄に有無を言わせぬものがある。)
(女性にしては身長の高い華澄も、間近に立った小野寺の体躯の迫力に思わず後退りしそうになる。)

そん……な……。
(実際小野寺の語る通りだった。)
(はじめの数回こそ彼から熱心に求められてのものだったが、秋が深くなってからは自ら望んで彼とのセックスに溺れていた。)
(生徒に手を出したと取られても何ら仕方のないことだった。)
(それでも……それでもこのまま小野寺のペースで事が進めば華澄はその体を、貞操を奪われてしまうことは明らかだった。)

(駄目……駄目よ……。)
(交渉の余地などなさそうな相手でも、何とか説得しなければならない。)
(極度の緊張でカラカラに渇いた喉から掠れた声が搾り出される。)

お、小野寺先生、こんな……こんなことは……。
お願いです。私が軽率でした。どんな処分でも受けます。受けますからこのようなことは……。
(命じられたことには従わず、縋るように同僚教師を見上げて懇願する。)