>>79
ぁ‥ああ、ジャーナリストって言ってもあくまで志望段階なんだけどね…部活も新聞部だし…
いっつも校内で何かネタとか探し回ってるんだけど…まぁ色々空回りしがちって言うか…
そのせいで度々周りに引かれる事もあるのよ…って…笑わないでよ…
その…好きだった奴は…一応私の事揶揄ったりはするけどある程度理解もしてくれててね…
え?恋敵…ううん、むしろ恋敵は私の方よ…友達は…紫苑はずっと昔からソイツの事好きだったみたいだし…
紫苑の方も両思いになるまでは相っ当苦労してたみたいだから…うん…ソイツが鈍感って言うか…
何故かやたらとスケベな癖に何かとモテるって言うのかな…ハハ…ソイツの事好きなっちゃった私が言うのも難だけど
(目の前の男…ヒロは一見チャラそうな外見に見えながらも面倒見が良いのか、意外な世話焼きなのか)
(楓の話を聞きながら…決して踏み込んだことは言って来ないが適度に相槌を打ち)
(途中で聞き逃したりせずに対応してくれている…そのお陰か楓も本来の明るいノリ…)
(じゃじゃ馬な一面を見せ始める…椅子に座ってる状態とは言え、彼女が上半身を動かせば)
(テーブルの上に乗せられる形になっている乳房が適度に弾み長い髪の毛が剥き出しの素肌に)
(貼りつき…その光景に周りの客が思わず目を奪われるが本来のノリを取り戻した楓には)
(そこまで気にならなくなっていた…目の前のヒロの方はいざ知らず…)
え…ちょ…可愛いって…止めてよ…校内でも言ってもらった事無いのに…ん…ときどき私の事
知らない後輩女子からはカッコイイ系と間違われるけど…中身知られると呆れられるけど…自分で言うのもアレだけど…
考えてから行動するの苦手なの…そんなに…中身出来てるとは思わないけどな、自分自身…
(楓は自分では完全な直情型でボーイッシュ系で親友の紫苑の様な女らしさとは無縁であると思っていたのだが)
(時折誰よりも乙女な面がある事を周囲にも無意識にチラつかせてしまっているのだが、それには気づかない)
うん…紫苑だったら間違いなく応援してくると思う…そんな事になったらどんな顔で紫苑に接すればいいか判んなくなるかも…
(親友の紫苑の穢れを知らない天然っぷりを思い出す…他人を傷つけたがらない彼女の優しさが却って痛い)
っ……そ、そりゃぁ…この格好がやりすぎなのは自覚してるって言うか現在進行形で痛感してるわ…
…ていうかさ…ヒロもさっきっから度々見てるじゃん…ぅう…遊びたいとは思ってたけど…
実際着るとかなり心許ないし…色々制限されちゃいそう…ぇ…?試着って…み、店で買ったんじゃなくて…
通販で買ったのよ…と、届いてから…今日まで一回も着なかったから…着心地今現在実感中よ…
(本来あるべき部分に布地が無い…今つけている水着は別に激しい動きをしなくても)
(身体を軽く…いつも通りに動かし折り曲げたりするだけで大事な部分…特に柔らかい乳房あたりが)
(こぼれてしまわないかと何度も不安にさせられる)
ん?何?この格好じゃなかったら声かけなかったのかしら?
(ヒロの言葉に楓がすねたように口をとがらせる…ただし本気で怒っている訳ではない)
(むしろ目の前で勝手に浮き沈みする自分をそれなりに励まそうとはしてくれるヒロには)
(出会ったばかりとは言え感謝もしていたしそれなりに心も開き始めていた)
はぁ…ふふ、もう良いわよ!うん、せっかくそれなりの値段の水着衝動買いしたんだし…!
うん、覚悟を決めたわ!ぁ…覚悟決めても今日いきなり何か変な事するとか…アッチ方面まで
するって意味じゃないわよ…本当よ!
それに…むしろ初対面の相手だからこそ逆に話しやすかったってのもあるし…
お礼になるなら…うん!決めた…今日一日ヒロが私をリードしてくれないかな?
その…私がはしゃぎすぎて…見えてたらすぐに教えてよね?
(楓もいつまでもくよくよしていても仕方が無いと自分に言い聞かせ)
(ヒロの差し出した手を照れたように握って見せた…実はじゃじゃ馬娘であっても)
(年代の近い男子と物理的に接触した経験が少ない根は乙女な楓…ヒロの手を掴んだ時)
(思わずその頬は際どい水着を身に着けている事の羞恥による赤面とは別に赤くなっていった)