「ううっ………………」
(口を開いて反論しようとするがどうやっても口が動かない。先ほどの蟲はどうやらこの男の仕掛けた物らしい。)
(此方を品定めするかの様な男の視線に嫌気がさす。身体が動けば魔法の一つや二つで直ぐに
やっつけてやるのに…。)

「う、ぁ………………は…………ぃ」
(そして男の命じるままに、万歳する腕を下ろし、そして男に腕に絡みつく様にだきつく)
(その際豊満な胸が男の二の腕にあたるだろう。それさえも楽しんでいる様だ)
(そうして身体は男の言いなりのまま、酒場を後にしていく)

(街中で明らかに異質なカップルが歩いているにも関わらず、街の人々は此方に対して一切なにも言ってこない)
(助けを求めようにも口が開かず身体は自然に動いていく。程なくして街の路地裏のほうへと進んでいく)
(そこは本来なら侵入不可エリアのはずだが…)

「……えっ…。」
(か細く声が漏れ出る。侵入不可のエリアに身体が入り込んでいくからだ。程なくして見知らぬ路地裏へと連れ込まれていく)
(男は慣れた様子で道をいき、そして一件の家にたどり着いた。そこの地下へと連れ込まれて)
(地下室はまるで拷問部屋といった感じに様々な卑猥な器具が用意されていて。雑誌等で見た事はあるが実際みればなんとも禍々しいものか)
(声を出す許可が下りた所でようやく口を開く)

「はぁっ…はぁっ………ここは、どこですか!?本来なら入れない場所に何故貴方は入れるのですか!?」
「そして私をどうするつもりですか……」
(身体が動かない以上、魔法は使えない。言葉だけは喋れる為、取れる行動は一つしかない)
(男の目的を聞き出し、なんとか脱出する術を探す事だ)

【此方こそ遅くてすいません。時間は大丈夫です」