【わたしもそのほうが、その………嬉しい、です。はい】
【(こちらも真っ赤になりながら、至極真面目な顔で答えた)】
(背中に確かに感じる力強い彼の両腕に―――ああ、と吐息にも似た声を上げて応える)
はい………はい………っ。あぁ………!
(掻き抱く背中の広さ、大きさ。自分などすっぽり収まってしまう、広い胸)
(そんなものを五感全てで感じながら、激しい感情に吐息が乱れ―――)
(いつもそうしてくれたように頬を摺り寄せられて、自分からも精一杯彼のそげた頬に頬を擦り付ける)
(痩せたのではないだろうか―――そんな感じがする、と涙しながら考えて)
(止まらない滴が、彼と自分の頬の間を伝っていく。彼の声が皮膚を通して直接身体に響き)
はい。はい―――………離さないで………離れないで下さい………!
わたしも離しません、絶対貴方と一緒に、ずっと―――!
(高い声で誓いを口にすると、改めて彼のカソックの背中を掻き寄せて)
(頬に近づく甘い熱を甘受した―――)
ああ………それだけで十分です。
それを分かってくれる日が来るなんて、思いもしなかった―――、
このままずっと、いつか貴方の文がなくなって、そして終わってゆくのかも知れないと、
そう、そう―――………思ってしまいそうになっていたのに。
優しくなんてありません。ただ貴方が好きなだけです………!
(腕にぎゅっと力を籠めて。彼からすれば、微々たるものだったろうが)
だめ………、貴方が、貴方が濡れてしまう………、
(涙に汚れて、自分はきっと、酷い顔をしているだろう。何とか収めようと唇をきつく噛むと)
(少しずつ、ゆっくりと涙は引いてゆき―――)
っ………、はせべ………さん………。
(彼の腕の中で撓った背中を更に摺り寄せ、隙間を埋める。はあ、と息を吐いて瞳を閉じる)
(すぐ傍にある彼の頬に、今度は唇を掠めさせて)
ん………っ、ん………
(何度も、何度も。彼の温みを確かめるように、そげた頬を慰撫するように)
(桜色の唇で、触れるか触れないかの距離で彼の顔の輪郭を辿っていく)
好き………好きです………もう、ひとりは嫌です―――………。
(嗚咽のようにそう囁いて)
【お待たせしてすみません、長谷部さん】
【………離れがたくて、わたしも………更に抱き着いてしまいました………すみません】
【そろそろお時間ではないですか?大丈夫ですか?】
【簡単な返事でいいので、リミットなら先に落ちて下さいね】
【わたしは頂いている>>800にお返事書きに参ります】