【了解しました】
【それでは単純な状況説明のようなものから始めさせてもらいますね】
(高層ビルの一層、国内ではそれなりに名の知れた某企業の広い社長室では
天使のような少年と妖艶な美女が互いの顔を見つめあいながら立ち尽くしていて)
……クッ。
(少年が涼しげな顔をしているのに対して女性は額に汗をにじませ、
次第に自分の太股を切なげにすり寄せ始めさえしていた)
フゥ…ゥッ……。
(最後に長身の女性は床に膝を屈し、二、三歩先の少年の顔を見上げる)
油断したわ…まさか、ここまでの能力を持っていたなんて…私の負けだわ。
ここに来るまで無抵抗だったのも、演技に過ぎなかったわけね……。
(息を切らせながらも少年の顔から目をそらさず、自らの敗北を認める女性。
だが、不思議とその声には精神攻撃勝負で自分を打ち負かした少年に対する敵意は感じられない)