>>79
【ありがとう】

(銀髪銀眼の少年は、白いシャツにスラックスというシンプルな装いだったが)
(天性の美貌はそれだけで高貴とすらいえる雰囲気を放っていた)
(膝をつく美女を見詰める瞳も、慈愛に満ちている…ように見えた)

僕の方こそ、びっくりしたな。
僕以外にこんなに強いテレパシストがいるなんて、思わなかったよ。

もちろん、全部演技だったけど。結構、上手だっただろう?
貴方の得意そうな顔を見て、ゾクゾクしちゃってたから、ヘマもあったかも知れないけどね。

(美女が先ほどまで少年に注いでいた(と思い込んでいた)、性感を増幅させる精神波は)
(いまは数倍の強度で美女の脳髄を責め立てていた。それを、少年は涼しい顔でやってのけて)
(いたのだった)

でも、これだけで負けを認めるなんて、やっぱり貴方は賢明だね。
それで……これからどうしようか?
僕は正義のヒーローじゃないけど、貴方をこのままにしておくわけにもいかないしねぇ。
ええと……ミス・ヒルトン?

(負けを認めた美女がどんな反応をするのか楽しみだというように、少年は尋ねた)