「おおおおおーっ! ノリノリでイこうぜーっ!!!」
(手近な男性に抱きつく彩恵。もちろん、抱きつかれた側も、ノリノリで彼女の行動を受け入れる)
(男性は、自分も彩恵の細い腰に腕を回して、彼女のカラダを自分からも引き寄せ……お互いの肉体をぴったりと密着させる)
(彩恵の豊かなおっぱいは、男の胸板によって強く押され、むにゅうっと形を変える)
(彩恵のジーンズを履いた脚の間に、男の膝が入り込む)
(お互いの性器も……ズボンや下着越しに、彩恵のマンコと、男の勃起したチンポとが重なり合う)
(ついには、顔も重なり合った。頬っぺたと頬っぺたがこすれ合うとか、おでことおでこがごっつんこするとか、そんなことではない)
(彩恵の唇と、男の唇が、しっかりと重なり合い、密着し合い……貪るように、吸いつかれていた)
(彩恵が「ねえ、一緒に楽しもうよ!!」と声をかけてから、わずか一秒後の出来事である)
(もちろん男は、それまで彩恵と会ったことは一度もなかった。だが、見ず知らずの女を恋人のように扱うことに、ためらいはなかった)
(ロックンロール・フェスティバルの熱気が、既存のルールや倫理から人々を解放し、本能に目覚めさせていたのだ)
(「やりたいことをやればいい」と、ステージ上でミュージシャンが、マイクに嚙み付くような勢いで絶唱している)
「ロックに乗るなら、どんなブレーキもなしだ!」
「女を抱きたけりゃ、そうすりゃいい! 女だって、男が欲しけりゃ、求めりゃいい!」
「悠長に愛を育ててる場合じゃねえ! 獣になれ! 俺だってなる! 文句は言わせねぇ〜っ!」
「お互い、今この瞬間に気持ちよけりゃ、それでいいだろう?」
「俺は、ガンガン音が鳴ってるここで、初対面のあんたとヤリてー! 他のヤツらに見られたって構いやしねぇ! それがロックだ!」
(彩恵の唇を熱心に、貪欲に、激しくしゃぶり……彼女の口腔を舌でかき混ぜながら……男は息継ぎの合間に、自分の中のロックを叫んでいた)
(腰は前後左右に揺さぶられていて、ズボンの中のチンポを、彩恵の股間にこすりつけている)
(男の腕が、彩恵の着ているカットソーのすそをつかみ、半ば強引に持ち上げ、脱がそうとし始めた)
(しかし、服の構造上、彩恵のお腹や背中が見えてしまうあたりで引っかかってしまい、なかなかうまく脱がせない)
(ここで彩恵が、自分からそれを脱ごうとすれば、スムーズにことは進むだろう)
(もちろん、そうした場合は、男とその場で交尾することを歓迎する意思を、無言のうちに示してしまうことになるが……)