「えー、どうしよっかな……そういうの持ってないし」
「全然アリでしょ、何よりかわいーし!」
(関心や視線を集める彩恵さんが、注目を向ける観衆にバニーコスを勧めると、やはりお祭りという事だからか、かなり好意的に受け止められているようだ)
(まぁ実際、そこいらにバニーコスが置いてある訳では無いので、追従する人間が現れる訳では無いのだが……)
(物珍しさやスケベ心からの視線はあるものの、バニーガール姿の彩恵さんを見る視線に侮蔑的な物は無く、何度か写真撮影を求められる程だ)
「ヒュー!、そこの可愛いお姉ちゃん!、一杯どうだい!」
(この村の名産品の一つとしてお酒があるのだが、人目を惹く格好をしているせいか……男としても彩恵さんに声を掛けたいのか)
(彩恵さんは何度も呼び留められては、出店で販売しているお酒を勧められたり……良い所を見せようとした男衆に奢って貰ったりするだろう)
(……しかし、お酒には利尿作用がある、酷く酔うほどお酒を飲んでいるかはともかく、勧められるままにお酒を飲んでいるならば、当然トイレに行きたくなるだろう)
(だが、それは他のお酒を飲んでいる村人や観光客も同じこと、必然的に一般開放されているトイレは混雑してしまっており、直ぐには利用できそうにない)
(……観れば、中年の男性や小さな子供は、尿意を我慢できずに林の中で小便を済ませているようだ)
(バニーコスの彩恵さんが同じように外で用を足すには、一度全部を脱がなくてはいけないだろう。何より、誰かに見つかるかもしれない……)