昼間は外に居た方が涼しいな。
この町のアーケード商店街などは、店から漏れてくる冷房が心地良いわ。
(夕飯前の買い物時で賑わう商店街。着任前で暇を持て余している彩愛は、ぶらりと町内探検に出掛けている)

(そう言えば今晩の夕食を考えていなかった。)(金も無いし、保存が利くものを作りたいのだが…。)    
Σッ!!
(っほォォォォっ!?此れは見事なゴーヤ!)(長さと言い、太さと言い、何よりもこの表面!瘤のようなイボがビッシリと…♪)(しかし、一本弐百八拾円也…。高い、高過ぎる。)(ならば、穴代わりに彼方の竹輪を。一本百円也…。)

商店のオヤジ
「らっしゃい!お姉さん、見慣れない顔だね?ウチの野菜はどうだい?」

っあ、ぁああ、私、越してきたばかりで、此の町は不慣れでして…。

商店のオヤジ
「そうかいそうかい、美人だから思わず声かけちまったよ!」「お姉さん、郁代ちゃん級のホームランだぜ!」

イクヨ…ちゃん?
そ、そうですか…?ぁ、はは、は…(苦笑)

商店のオヤジ
「お近づきの印にそこのゴーヤ、持ってってくんな!サービスすんよ!」

!! よろしいのですかっ!?
(Σなっ、見られていた!?物欲しそうに見ていたのを覚られた?)

商店のオヤジ
「もちろん!お姉さんみたいな美人に是非使っ…、ィャ、食べて貰いたいのよ!」「今夜はチャンプルーかい?」

っえ?ぇ、ぇえ、チャンプルー良いですね…(汗)
(チャンプルーなど保存が…)

商店のオヤジ
「そんじゃ、他の具は何が良いかなー?」
「お姉さんなら…、この太いナスとかキュウリとかー…」

(何故茄子に胡瓜なのだッ!)
あああ、そ、それなら竹輪を…。

肉屋のオヤジ
「チャンプルーなら[ブタ肉]だなっ、お姉さん!」

Σっは? はぃい!?
(肉など買えるか!馬鹿者ッ!)

肉屋のオヤジ
「[良いブタ肉入った]からよ、サービスするよ!300gで100円!」「見てくんなよこの[ブタ肉]!お姉さんみたいにピッチピチでムッチリしてんだろ?どうよ!」

(くッ!このオヤジ、何度もブタブタと…ッ!)
ぁぁ、…そ、それじゃ、百円で…(赤面)
(などとやり取りをしている内に、彩愛の美貌を嗅ぎ付けた周りの商店から次々と店主のオヤジが駆け付けて来て)

ぅぅ…、大変な目に遭ってしまったな…。
ゴーヤに竹輪に蒟蒻に茄子に胡瓜に大根に山芋、ブタのバラ肉にフィレ肉に卵にコロッケ、ビールに牛乳、生の烏賊に蛸…無理に持たされたこの偏った食材は何なのだ?
締めて五百円とか…、この町は、

この町は天国かッ♪
【酷いセクハラに遭ったようだが、結果オーライだ。一言です。】