(まだ矜持と敵意に心を燃やす余裕はあるようで、その健気な様に微笑ましさすら感じた)
(憎まれ口を叩いていた口も、開けば雌の喘ぎが漏れ出し始めると、必死になって噤むしかしなくなる)
(よく締まる雌穴をほじくり返しながら、膣の具合からタイミングを図る)
(そして、無抵抗のまま法悦に絶頂する女の中へ、一際強く腰を押し込むと)
(濃厚で欲望の熱を帯びた、雄汁をたっぷり膣内射精していった)
…………
(無言のまま、脈々と精子を送り込んでいく下半身)
(大きく息を吐いてそれを引き抜けば、熱気にむせるほどの牢屋の空気に気づいた)
(護衛に渡されたタオルで身を拭きながら、ただ犯された哀れな元冒険者を見下して、口を開く)
分かっただろう?
お前は私からは逃げられないし、勝つことも出来ない。
ただ女として、跪くしかないのさ。
分かったらこれを着て、さっさとついてこい。
ここでは流石にもうまずい……
(彼女のための服を手渡すと、護衛を監視につけて歩き出す)
(彼女を睨む男の眼は鋭く、先ほどの商人は大したことがなかったのだが)
(それが雇ったものまでが軟弱であるはずもなく、逃げようとするのは今は得策ではあるまい)
(暗く湿った、カビ臭い牢と通路)
(先ほどの部屋が男女のまぐわいの匂いに満ちていただけに、その本来ある空気こそ異質に感じられるかもしれない)
(囃す声や、からかいの言葉を投げる同類たちも、死んだか移動させられたか静かなものだ)
(もしくはこの商人が、黙っていなくてはと、荒くれどもに感じさせるだけの存在なのかもしれないが)
(裏口から外に出ると、空は赤らんだ夕焼けで)
(そよ風が火照った体を冷やし、酷使された雌の肉を癒やしてくれるかのようだった)
(遠くから聞こえてくる市場の喧騒が、遠くにあって、決して戻れぬもののようにかすかにしか響かず)
(まだ地下のような別世界の空気が彼女にまとわりついていた)
乗れ。
(一行の前に、大きな鳥馬車……馬代わりの二足歩行大型鳥類を誂えたもの……が見えた)
(頑丈で、見張りや防衛用の装置をつけるスペース、金属製の車輪など)
(まるで襲撃を想定したような戦車の如き馬車であった)
(まるで愛妾を伴うように彼女の腰を抱いて、共に乗る男)
(その手が尻を掴んできた辺りで、彼女も、この雄がまだ満足に至らないことを知るだろう)