>>11
くぅぅぅ……く、そぉ……。
中に出てるのか、おい、抜けよ……!

(激しい恥辱、屈辱を感じながらそういう時には奮い立たないと折れてしまう)
(それだけはと思い、嫌悪を怒気を声に含めて言い放つが、男はたっぷりと中に注いだ後、引き抜いて)

……強力な術ならその分、何か隙もある……。
必ず後悔させてやる……。
これは……くっ……。

(つぶやく様に自分に抗う手段があると言い聞かせていると服を渡される)
(囚人服の様なボロでは無いが、薄絹の透けて見える様な衣装で着る事を躊躇うが)
(護衛の男たちに急かされてそれを着ると付いていくしか選択肢は無かった)
(自分が男で万全の体制を取っていてもこの護衛たちを倒せるかどうかわからない)
(その戦力的な分析はアーシュ自身が冷静な判断力を持った冒険者であった唯一の証拠の様でもあった)

(裏口に向かう途中の牢を抜ける最中、何の声も聞こえない事に気付く)
(いくら目障りでも殺す事は恐らくしておらず、つまりはこの商人に目を付けられる事を恐れているのだろう)
(それだけの力を持っている事を改めて感じながら錆びついた鉄扉が開き、牢から久しぶりに外に出る)
(もっとも、遥かに堅牢な牢に囚われている様なものではあったが)

この馬車は……くぅっ、どこを掴んでるんだ……!?

(二足歩行大型鳥類に引かせる馬車は大仰と言える装備に彩られていた)
(それを見ただけでこの商人の敵の多さ、強さ、そして商人自身の用心深さが窺える)
(馬車を引く二足鳥類も3羽いて、しかも良く見れば凶暴な肉食鳥類であり、戦場などでも用いられる魔獣に近いものだとわかった)
(護衛も恐らくこの馬車設備の中にもいるだろう事は容易に想像が付いたが、腰を抱かれ尻を掴まれると我に返る)
(しかしすでに首輪によって敗北を刻まれた商人の行為を止める事も出来ずに馬車に乗り込んでいく)
(内側から掛かる鍵を掛けるのを見るとこの馬車自体が強力な魔力結界に覆われている事まで理解する)
(男の欲望を感じながらも自分がとんでもない所に囚われた事を改めて感じ入っていた)


【着衣は仮初めなので色々着替える事になります】