>>171-172
(これまでと同じように扉を開け、店内を見回した一希は異変にすぐ気が付いた)
(洋館の中に満ちる空気がいつもの甘い芳香とは違い、不思議な感覚を齎す)
(気分が悪くなる類では無いのだがどうにも慣れず戸惑っていると)
なんだろ、この匂い……あっ

ッ……!?
(店の奥から声が聞こえ、女店主の方へと即座に視線を向ければ)
(視界に飛び込んできた光景を咄嗟に理解できず、大きく目を見開いて硬直してしまった)
(服から零れ落ちそうな女店主の胸へとまず目が向かい、それから太ももへ)
(次に何処へ視線を向ければいいのか、もう何も理解できなくただ本能のまま眼球を動かすだけ)
(ボディコン、と呼ぶことは辛うじて知識として知っていた衣装ではあるが)
(しかし目の前で見るのは初めてで、まして憧れの女店主がそれを纏う様はあまりにも刺激的であった)
(衣装とそれによって煽情的過ぎるほどに強調された店主の身体を食い入るように見ていた一希だが)
(ふと両サイドの透明な部位から覗く素肌を眺めている内に)
(もしかして……と仮定することすら信じられないような疑惑が浮かび上がり)
へ……?
あ、え……っ!?
(暫し言葉を失していた一希だが、女店主の言葉に気付くと間の抜けた声を出し)
(ハッと我に帰ると、自分が今していたことをようやく自覚し、誤魔化すように首を横に振る)
(とはいえ、誤魔化しきれないとも分かっていて、気まずそうに恐る恐る店主の方を見て)
(そこで初めて、と言うより改めて、いつもとは違うメイクをしていることに気付いた)
(身体を見回す内に顔も見たはずだが、煽情的な女性がいるという印象で纏めて見てしまっていた)
(改めて見たことで美貌に見惚れそうになるが、続けられた店主の言葉にビクッと震える)
ええと……その、そうです、気に入って……う、それは……その……
(バレてしまっていたのか、と悔いる念が込み上げる)
(どう言い繕うか考えようとするが、女店主の姿がどうしても目に入ってしまい)
(思考しようにもまるで集中できず考えが掻き乱されてしまって)
(更にもう一つ、直立不動の姿勢となったことで発覚した問題があった)
(女店主の身体を眺めている間に、いつの間にか下着の中で陰茎が大きく膨らんでいたのだ)
(当然それはチノパンの正面も盛り上げ、興奮していることを周りに教えてしまう)
(幸い、大きめのパーカーを着てきた為に遠目には分からないが、女店主が近くに来ればその限りでなく)
(そして今、まさに距離は縮まってきているのだ)
(店主目当てに来店していることがバレて、しかも劣情を抱いていることがバレる)
(……このままでは嫌われるのでは、関係を壊してしまうのではという恐れに冷や汗が噴き出る)
……はい、その通りです
(引き退って距離を取るという選択肢もあったが、女店主が歩む間に足は動かず)
(目の前に立つ美女から逃げることもできないまま頬に手のひらの感触を覚え)
(言葉を引き出されるようにして、諦念と共に肯定する)
……っ
(女店主の指が頬を撫で、一希と唇をなぞる)
(その行為に顔が熱くなるのを感じ、心臓がバクバクと脈打ってしまう)
(笑みを向けられれば息苦しいほど焦がれてしまう……いつも通りではあるがいつもより激しく)
(女店主の吐息や、指の感触や、艶やかな笑みが、一希の脳を甘く痺れさせるように浸透してくる)
(今日店に入った時に気付いた香りの異変が原因だろうか、ふとそう考えが浮かぶが)
(女店主……ミレディの囁きに、すぐ気を奪われて)
……柏葉、一希……です
(『好きなの』と言ったミレディの言葉が頭の中に木霊する)
(自分個人に向けてではないと分かっているのに、蕩けそうな響きを脳内で反芻してしまう)
(名前を口にしながら、女店主の名前もしっかりと頭に刻み込んで)
(そして……一希の唇から離れた指がミレディの唇に触れる瞬間を凝視した)
(ミレディの仕草を見ていると、ドキリと心臓が一際大きく高鳴り)
(下着の中で膨らんだままの陰茎が、同じように一度跳ねるように脈動した)
(このまま此処にいたら危ないのでは、という疑問が頭の隅には微かに浮かんでいたが)
(何処か遠くで鳴ったカチャンという音に、そんな考えも消え去って)
……占い、お願いします。ミレディさん

【濃厚で素敵なレス、ありがとうございます】
【占い……是非お願いします。手順などあるようでしたら、こちらはそれに従いますので】
【ある程度、行動は決めて頂いて構いません】