>>17

(彼女の恥じらい、快感への戸惑い、屈辱に眉目を歪めるさまなど)
(この豪商はそんなゆらぎを見る度愉悦を浮かべていた)
(繰り返し、繰り返し)
(指は布の内外を問わず、彼女の性的な部分を這いずっていく)
(豊かな乳房も、犯していた時のように絞られて)
(露出させた肩や鎖骨も、女らしい細やかな肌を楽しむためになぞられる)
(腰に回され引き寄せられた彼女の脚も、同様に付け根近くまで皮膚の蹂躙を受け)
(それはもう愛撫そのものであったが、そこから先にはまだ行かない)
(焦らしているのか、はたまたギロチンを見せびらかしているだけか……)

「おかえりなさいませ、旦那様」

しばらくは部屋にいる。重要案件以外は通すなよ

「かしこまりました」

(地下には幾つかの重装馬車とともに、魔鳥の鳥舎、傭兵の休憩所などが配置されていた)
(実利を分けた配置、この男の見栄の部分である庭園とは違って、殺風景であった)
(豪商は何も言わず、彼女を伴いどんどんと進んでいく)
(その過程で使用人と呼べる者達とは一切出会わない)
(生活ブロックが完全に分けられているのだろう)
(彼が部屋に着くまでの間、結局警備兵以外とは遭遇しなかった)
(逃げるとすれば容易な造りと態勢、そう感じられる程度のものだった)

さて……
(着いた先の部屋、男の自室であろう……は、やはりというべき広さと絢爛さだった)
(一際目につくだろう天蓋付きのベッドもそうだが、まるで王族のような暮らしぶりが部屋だけでも見て取れるほどだ)
(そうしていると、不意に男はアーシュを抱え上げてしまうと)
(そのまま歩き出し、何人眠れるかしれない大きさのベッドへ放り投げてしまった)
(彼女を見下しながら、着ているものを脱ぎ始める男)
(終わっていなかった、そんな事実が疼きとともに彼女に突きつけられていく)

まだ品定めには足らんからな……覚悟はしておいてくれよ。
今晩は、お前をひたすら犯す。
男であった事実など忘れるくらい、してやるさ。