「あぁんのドラ息子はどぉこさ行ったァッ!
 呂宋壺はどこに持ってったァっ!」

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 ニコッと笑いかけて、そっと頭をなでてやる。
 その、あたふたした反応が楽しくて。

「あーうん、そうだよね」

 いつまでもこうしていたいけど。
 いつまでも君を見つめていたいけど……

「(ドンドン!ガチャガチャ……ガチャ!)見つけた!確保ぉ!」
「げげっ、なんでここが……」
「お父上がお待ちですよ!(ひょい)」

…………

 物凄い勢いでお迎えが来て、青年は黒服数人に連れていかれた。
 でも、ベッドの下に彼の拳銃が残されていた。

“TUNAMI-ARMS STORM-SEEKER” “No.20”

 詳しい人によれば、この銃を作ったメーカーはもうなく、僅か99挺が市場に出回ったという。
 特殊合金製のこの.44マグナムリボルバーは持ち手を選ぶと言われ、リーゼの手にあるというのはそういうことだと。

 だから、この銃は……

「やあ、その銃を大事にしてくれているようだね?」


【こんな感じで。添い遂げることが出来なくても想いを残した、という風に銃をわざと忘れていきました】
【では、これで今回は締めますが、縁があればまたそのうちに】