七瀬は下腹部の冷たい異物感に耐えながら、せいいっぱいの作り笑顔を返した。
ふっと多幸感が全身を包み、少しだけ膣内の梨がもたらす威圧感が軽くなったような気がした。
そして、これが、彼女が自発的に見せる人生最後の笑顔になることを、彼女はよく理解していた。)
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「ウウ、ッッ!!!! やっ、グっ、ぐぐっ!?あグぅぅ━━!!」
(七瀬はビッグサイズの玉座の床に辛うじて爪先のみ付いている脚をばたつかせ、自らの体を割り切る金属塊の猛威に
そして、内側から拓かれ、砕けてしまった骨盤のもたらす激痛にしがみつくかのように抗っていた。
本来、苦悩の梨はまったく外傷を与えず内側のみを破壊する処刑具なのだが
サイズの小さな日本人、それも比較的小柄でスレンダーな彼女のウェストには流石にサイズが合わなかったのか
既に膣壁や子宮といった内側のみに収まらずスカートや白いショーツ、にも赤い滲みが浮かんできている。)
ピチョビジョピジョ……ボチョ……ポト……
(もちろん、その秘所から不気味な音を立てて垂れ落ちる生命のスープの流れはまだ収まらない。
むしろ、ペースが速くなってきているような感さえある。
そんな体を押さえつける美鈴を何とか引き剥がそう、とイヤイヤと暴れる七瀬。
七瀬のなかで弾けたあまりの苦痛は信頼を寄せた美鈴に対してすら反射的に抵抗させるほど強烈なものだった。
が……探偵とは言え所詮ベースはただの文化系の女子高生。戦いや殺戮に慣れたプロの女戦士とは絶対的な腕力が違う。
たちまち押さえ込まれ、形の良いしかし年に似合わずまだ膨らむ余地を大分残したサイズの美乳
その左右の先端にクリップを挟まれてしまう。 股間の痛みに比べればずっと小さな痛みだったのが救いだろうか。)
「最後の……」
(美鈴の言葉、その後半部は苦痛の感覚にかき消され、よく聞き取れない。
それでもクリップと、梨から伸びた配線を見て、これは電気を使った刑具か何かなのだ、ということだけはうっすら理解する。
そして、案の定……玉座の下からブゥゥゥンと不気味に響く羽虫のような音と共に)
「イギッぎいいいイイイッ!グウふウウゥエえええッッ!!」
(両胸と膣の三点に囲まれた部位の筋肉を、そして少し遅れてそれ以外の全身の神経信号をコードから流れた電流が凶暴に制圧し、上書きする。
清楚で可愛らしい平素の顔からは想像も付かない、まるで絞め殺される動物のような生贄の断末魔が処刑室のなかいっぱいに木霊する。
その時間、わずか10秒。しかし、七瀬の中では永遠にも等しい時間である。)
「ンギャアアあアア゛アアアあっ!」
括約筋の制御を失ったのかボゥッ!ブゥっ!と彼女の臀部から響く汚らしい音。
幸いなことに、今回は下ごしらえ担当のスタッフがあらかじめ浣腸を済ませ、彼女の腹の中を綺麗にしていたからガスのみで済んだものの
それがなければ七瀬は前後左右四つのカメラの中心で人生最大の恥態を見せることになっていたに違いない。
尤も、その浣腸はこの後待ち受ける彼女の最期の刑を遅滞なく進めるために行われたもので、決して幸運なものとばかり言い切れないのだが……。)
「お、オ゛ネエジャ……ン!」
(あまりの激痛に、既に正気を失い、何か違うもの……たとえば家族の幻影など見ているのだろうか。
顔をべちゃべちゃに濡らしているのは全身の神経信号を上書きしたパルスに垂らすことを強いられた涙とヨダレ。)
「オギギギガアアアアアオゴゴゴッヒイイギイイ!!!」
(が、赤く染まった肌に帯びた熱に、それらの体液もすぐ湯気をあげて蒸発する。
扱い方を誤れば死に至る危険すらある大容量の電流である。そうでなくとも七瀬の精神が常軌を逸し、壊れ始めているのは一目で分かった。
さすがに長時間の使用は極めて危険と判断したのだろうか。
美鈴は使用を三度に留め、七瀬の左右の胸のクリップを力任せに引き剥がした。
その衝撃が七瀬の意識を彼岸の向こう岸から引き戻す。しかし、何故だろう。)
「ン゛……ヤメ……ナンデ……?ネ゛……。」
(次の処刑が滞りなく行われるよう準備を続けるそんな美鈴に七瀬はまるで、先ほど絶頂のさなか
バイブを抜き取ろうとした時と同じような類の恨めしそうな顔を見せた。)