>>601
……うぅっ………ぐ………ぐっ………あ"ぅ…っ

(何も考えるな。痛くない。大丈夫。シエラの頭の中ではそんな言葉が反芻して響く)
(今までで一番ゆっくりと抜かれていく針。ゆっくりと肉を抉り、痛覚を刺激してくるその姿は「悲鳴を上げろ」とシエラに語りかけるようだ)
(今どのくらい抜けたのだろうか。そう考えた時にはまだ半分も抜けていないところ)
(震えと冷や汗が止まらない。それもそうだろう、悲鳴を上げたら脚が無くなるのだから)
(血に濡れた針が少しずつ、少しずつ外に出て行く)
(まだ耐えられている。このままの速度でいけば、抜ける。シエラは息を止め歯を食いしばり、針が抜けていくのをひたすら待っている)