目の前のやり取りを見ていた肇は、目をぱちくりさせる。どうやら外見は見知らぬ物ではあるが
言葉は通じる様だ。だとすればここは日本?等思案するが、空気が明らかに違うのだ。
ともあれ情報は収集せねばならない。申し出を快く受けた肇は馬車に乗る事に。

「貴方様の寛大なお気持ちに感謝します。改めて私は各務原 肇と申します。この様な恰好をしてますが
これは妖魔と呼ばれるモノを退治するための衣装なので普段からこんな格好をしているわけではありませんよ?」
「…あの、先ほどオーク、ゴブリンといった聞きなれない言葉を聞いたのですが、やはりここは日本ではないのでしょうか?」

と当たり障りのない事を女主人と、その脇に座るメイドに問いかける。そういえば皆女性の様だ。
そして目の前の女性をご主人様と呼んでいる辺り、かなり気位の高い人物なのだろうと当たりをつける。
見知らぬ土地故か、少しの警戒心だけは残す様にはしていて。
しかし相手から説明を受けていく内に、やはり異世界であることに確信をえる肇は、程なくすれば遠くにみえた街並みが大分近くへと近づいてきて
その西洋風の街並みに感嘆しつつ馬車は街へと入っていく…
【此方こそよろしくお願いします。】