>>62
夕食が始まりどれ程に時間がたったろうか。
お互いの話が弾み、料理を食べる手も幾何か止まった頃合いだった
―そろそろですねー
という領主の言葉を皮切りに、手元がおぼつかなくなり始める

「えっ……あっ………なん、ですか……急に、ねむ………く………」
ーカシャァァンー
肇の手元から食器が零れ落ちると同時に、凄まじく強烈な眠気が襲い掛かって来たのだ。
意識が混濁し、視界がゆがんでいくなか、目の前の領主の笑みが妖しく見え、そこで意識が闇に沈み

ードサリ…ー
音を立てて深い眠りへと堕ちていくのだった…