「魔王様、実は……」
(魔王城で退屈な毎日を過ごしていた魔王に一つの暇つぶしにはなりそうな伝聞が届く)
(いつか魔王の宿敵になり得るかもしれない素質を持った魔導師がいるとの報告)
(念には念を入れて早いうちに芽を摘んでしまおう瞬間転移の魔法を使いその魔導師がいる場所へと移動する)
ちょうど退屈していたところだ
久々に下界に降りるとしよう

(一方シルヴィが目的の街の目前の森の中のいるときに突如雷鳴が轟いて魔王が降臨する)
(禍々しい鎧を身にまとった魔族の姿は噂に聞く魔王の姿そのもの)
例の魔導師というのはこれか
確かに素質に関しては俺に匹敵するものを持つ
悪いがここで死んでもらう
(手を広げて何らかの魔法を繰り出そうとしていた魔王の手が止まる)

エルフか……
ちょうど退屈をしていたところだ
俺自ら自分の宿敵を育てるというのも一興だ
(攻撃魔法の発動はおさまり、エルフの少女に向かって捕縛の魔法が繰り出される)
(見えない手のようなものがシルヴィの体を動けなくする)