>>246
(魔王討伐と宝探しのパーティーに誘われたが、本拠地の町へ行くには、空間転移術を使えないシルヴィは徒歩で行くしかない)
(有るところで禍々しい気配を感じ、ほぼ同時に一見して魔王とわかる存在がシルヴィの目の前に現れた)

何をブツブツと。在るべき場所へ御戻りなさい、そうすれば塵に戻すのはやめてあげるから。
(シルヴィより頭二つ分高いだろうか、高価そうな鎧の武者が何事かを呟く)
(攻撃魔法は得意ではない。パーティーにはヒーラーとして招聘されたし)
(塵に化す魔法は大技で制約も多いが、もし相手が退かないようなら思いきって試してみてもいい)
(そう思って指を向け、詠唱に備えて口を開けた時、相手が魔法を飛ばした)
…!
(ベテラン魔導師なら有り余る魔力を感じて恐怖に震えるか、魔力に当てられて後退りするだろう)
(だがシルヴィはまだまだひよっこ、捕縛魔法に捕まっただけで済んだ)

(シルヴィは見えない手で掴まれたように、魔法を飛ばすポーズの途中で硬直し、不自然に腕を伸ばしている)