>677
(レジに並びながら、耀が何か甘いお菓子を作ってみようかと訊いてきた)
えっ…いいの?
(一瞬驚いたような表情を見せたあと、それがパッと笑顔に変わる)
うんっ!作る作る!
館の大きなキッチンなら、材料も機械も全部そろっていると思うよ!
(そこまで言ってから、脳裏に耀と並んで作る様子でも浮かんだのか小さく溜息をつく)
えへへ…楽しみだなぁ、お兄ちゃんと並んでお菓子作り♪
(新しい楽しみができて満足そうな少女だった)
(そのままレジを待っていると、耀がかごのプリンに気づいた)
うんっ、どうせなら食後のデザートも欲しくなって…
プリンの甘さって癖になっちゃうよねぇ
…お兄ちゃんと…あ、あの…お兄ちゃんの分も持ってきた方が良かった、かなぁ
(一瞬耀と口移しで食べたいと言いそうになり、慌てて言い直した少女)
(さすがに他に人がいる場所では声に出して言うのは恥ずかしい)

(買い物が終わってから新幹線のホームに移動した)
(取り留めのない話をしながら待っていると、2人が乗る新幹線がやってきた)
(開いた扉に真っ先に飛び込む少女)
(通路の間をとことこと歩いて、耀が言っていた席へと向かう)
あ、ここここ!
(席を指差す少女に、耀が窓際に座るか訊いてくる)
うんっ、じゃああたし窓際にする!
(キャリーバッグを棚に乗せてもらってから、窓際の席にちょこんと座る)
(まだ動いていないのに、そわそわしながら窓の外を見つめる少女)
早く動かないかな〜?動かないかなぁ?

【はい、では22時までお願いしますね】