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(少女の質問に耀が答えを返してくる)
次の次の次…ホント?
(何だか考え込んでいる耀を、ちょっとジト目で見る)
(すると考えがまとまったのか、耀はそれで合っていると言ってきた)
りょーかいっ!
次の次の次、ね♪
(納得したような少女に、耀は次の駅を出たらご飯にしようと伝えてくる)
うんうん、それもりょーかいだよぉ
正直、ちょびっとだけお腹空いてきてたし。
(嬉しそうに笑みを見せて、少女は弁当の入った袋をちらっと見た)

(そして発車した新幹線は、再び街を出て野山を走っていく)
(広い広い田畑、遠くに見える森林)
あ、畑でおじさんが何かしてるっ…何だろ?
あっ、あそこ何か…ヤギ、かな…あああ、見えなくなっちゃった…
(窓の外に夢中の少女は、何か見えるたびに耀に報告していた)
(そしてさっきは遠く遠くに見えていた山々が、前よりも比較的はっきり見えてきた)
ふわ…雪だよ、山、全部雪積もってる…さむそー。
(さらに流れていく景色を見ていると、頃合いと見たのか耀が弁当を出してきた)
お〜出た出た♪
(嬉しそうに自分の弁当を受け取り、待ち切れないのかすぐに蓋を開ける)
うわぁ…美味しそう…!
(感動にも似たような声を上げて、少女が海鮮丼を見つめる)
(弁当を膝の上にのせて、箸を持って両手を合わせる)
いただき、ますっ!
(少女はさっそく、脂ののっていそうな鮭を口にする)
………!!!
(声もないと言うふうに瞳を見開く少女)
お兄ちゃん…おいし…美味しいよぉ…!
(耀を見てその美味しさを伝えようとすると、耀の弁当も視界に入った)
(思わずそれにも見入ってしまった少女だが、さすがにいきなり貰うわけにもいかないと思ったのか、海鮮丼に向き直ってまた食べ始めた)