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(鹿を見送った少女に、耀が鹿との入浴は無理だと言ってきた)
え〜そうかなぁ…
(鹿の去っていった方を見ながら、残念そうに呟く少女)
お猿さんだって温泉入るんだし、鹿も入ると思ったんだけどなぁ
(何だか未練がましい少女に、耀が温泉に入るよう勧めてきた)
はーい
(先に耀が入っていった脱衣所は、何人か入れば一杯になってしまうような小ささだ)
(でもちゃんと男女別に分かれていて、きちんと仕切りもしてある)
(先に脱衣所に入った耀は、ささっと脱いで出ていったようだ)
(そして温泉に浸かったらしく、感嘆にも似た声が聞こえてくる)
あ、あたしも行く!
(慌てて衣服を脱いで、まっさらな姿になる少女)
(リュックからハンドタオルを出すと、脱衣所から温泉へと向かう)

っっっ…さっぶ…!
(脱衣所を出た瞬間に寒風に吹かれ、思わず身体を屈めて呻いた)
(その風にさらされ続けた足元の石も氷のように冷たく、足の裏があっという間に冷えていく)
つ、つめた…は、はやく、温泉っ…!
(ちょこんとつま先立ちになって、とことこと湯船の縁まで歩いていく)
…えいっ!
(よく分からない掛け声とともに足の先をお湯につける)
(ちゃぷちゃぷと足で湯温を確かめて、そのままゆっくりと脚から順々に浸かっていく)
……ふ、わぁ…
(身体まで浸かると、その心地よさに少女の表情が緩んでいく)
温泉だね…お兄ちゃん
(ほんのりとした目で耀を見てから、今度は周りを見回す)
…ここに来てるの、あたし達だけなのかな?
(大好きな耀に身体を見られるのは平気だが、他の男性に見られるのは恥ずかしい)

【お待たせしました】
【私は多分23時くらいまでできますが、耀さんは何時まで可能でしょうか?】