(こんな田舎の学校の教員と言えど、都会の教員とそう仕事の量は変わらない)
(いや、当然生徒の数は少ないのだが、小学1年生から中学3年生まで、飛ばし飛ばしではあっても、全学年の勉強を教えているのだ)
(むしろやらなければいけない仕事は多くなる……プリントの作成にパソコンが使えないとなると、尚更だ)
(だが、もはや博物館モノのガリ版を削っていると、不思議と心安らぐのは何故だろうか)
(それに、ここでしか出来ない授業というのもいくらでもある)
(お正月に餅つきをした時には、近所のお爺さんお婆さんに手伝ってもらって、大騒ぎしながらお餅を突いた)
(つきたてのお餅のおいしかったこと……やはり、街で売っていた切り餅など比較にならない)
(この幸せを味わえるのは、やはりこの村ならではだ)
(――それに、校庭に窯を作るのを許可してくれる学校なんて、どこにある?)
(さあ、次は何を作ろうか……燻製に挑戦してみるのも良いかもな……)

(そんなことを考えていると、ふいに薪ストーブにかけていたヤカンがカンカン音を立て始めた)
(慌ててヤカンをおろし、別のヤカン――既に一杯に水を入れてある――をストーブに乗せた)
(水を汲んでくるついでに、コーヒーを淹れる準備をしようか、などと考える)
(そういえば、金曜日のお昼に焼いたパンがまだ残っていたっけ)
(硬くはなっているだろうけど、コーヒーと一緒なら食べられるだろう……)

(日曜の午後、誰もいない学校の職員室は、僕の秘密基地みたいなものだった)

【スレが動いていないようですので、こちらのロールを貼らせていただきますね】
【基本置きレスになるんでしょうか、どなたか遊びに来てくだされば反応します】
【プロフィールは>>56です、よろしくお願いします】