>>266
(美月さんの胸に抱かれて目を閉じているとふと、小さいときの記憶が蘇ってくる)
(まだわたしが随分小さくて両親も生きていた頃、わたしはこうして母親に抱かれてお風呂に入っていた)
(母の胸に抱かれて、頭を撫でられながら優しい笑顔でわたしを愛してくれていた)
(小さかったわたしは昔の事をほとんど覚えていないけれど、数少ないはっきりとした記憶のひとつが母との入浴の記憶だった)
……お母さん…。
(目を閉じながらそんな事を思い出していると、美月さんがわたしの事を呼びかけてきていた事に気づく)
ごっ、ごめんなさい…わたしったらつい…えへへ…
(はっとしてわたしはすぐに美月さんから離れると恥ずかしそうに照れながら、いつもの笑顔を見せた)
(鷺宮さんにも笑われてしまった)
(わたしはまた口元までお湯に潜ると恥ずかしさを隠すようににぶくぶくと泡を立ててごまかす)