>>64
ぼんやりと咲さんを見つめているとわたしの視線を感じたのか、目を開けてわたしに小声で話しかけてきた。
「ご、ごめんなさい…起こしちゃいましたか…?」
咲さんは大丈夫というように、優しく微笑んでくれた。
それから咲さんは夜風にでも当たらないかと、わたしを心配してくれていた。
つい先ほどまであんなに眠気があったというのに、今は何故だか目が冴えてしまい眠れそうになかった。
だからわたしは咲さんの言葉に甘えることにした。
「……はい」