咲さんと一緒に夜風に当たりに部屋から出る。
月明かりに照らされる廊下を歩きながら咲さんはわたしに、眠れない時にする方法、というのを話してくれた。
その内容は……。
「…ッ……」
少しオブラートに包む言い方ではあったが、それはつまり…エッチな事。
それを二人でしてみないかという誘いであった。
途端にわたしの顔は真っ赤になり、俯いてしまう。
わたしには悩みがあった。
今日ここへ来たのも誰かにその話を聞いてもらいたかったのもあった。
結局タイミング的に話す事は出来ずに居たけれど、咲さんと触れ合うことでその悩みも少しは解決できるかもしれない。
胸の鼓動が早い。
ここでOKをしたら、わたしは咲さんと…。
でも、もう答えは決まっていた。
少しの間を置いてから口を開く。
「……して…ください…。 ……して欲しい…です…」
月明かりに照らされて潤む瞳を咲さんに向けて、小さな声でそう答えた。