>>32-33
(「絶対、私、痴漢に狙われている」)
(聡美と硬く握りあった手が、三度駆け込み乗車して来た男性乗客に体当たりのように切られれば)
(自分の推理がほぼ間違いないと確信を得るが、生徒手帳を質に取られている状態では打てる手は殆どなかった)

約束したから。
(再度確かめるように念押しをしながら、絶対快楽に負けないと強い決心を新たにして、フーッと大きく深呼吸を一つする)
(それにしても……と彩良は思っていた。彩良の声に応じた背後に居る痴漢の姿)
(集団痴漢の主犯格なのだろうが、容姿も悪くなく、着ている背広の質もセンスも悪くない)
(今まで自分が捕らえたことのある痴漢は皆、どこか疲れ果てたような中年か、いかにも女性に相手にされなさそうな若者)
(そんなタイプではあったが、後ろに居る男性は明らかにそういう痴漢とは異なる雰囲気を持ち)
(一流企業の社員で通りそうで、そういう人物がなぜ人生が破滅するリスクの高い痴漢行為をするのか理解できなかった)
……くっ! 勝手にすればいいじゃない。
(また、それを使うのかと弱気になりかけるが、自分を奮い立たせるためにも強い語気でそんなものは効かないと言いたげに応える)
(ただ、内心は穏やかな訳はなく、また昨日みたいに体が熱くなって快楽に負けたらと思うと)
(使うのは止めてと懇願したい気分にさえ抱いるのを、グッと飲み込んだ)
……ひゃっ……くっ……ん……。
(目の前で容器から痴漢の指へとクリームが掬い取られるのを見れば、自然と背筋がピクリと震える)
(理由は恐れなのか期待なのか彩良自身にも分からない)
(本当にこんな物で昨日のようになってしまうのだろうかとの、疑念も頭の片隅には少しあった)
(しかし、指が目の前から下へと降り、クリームが付いていない方の手がチェックのプリーツスカートを捲り上げ)
(クリームの付いた指が陰唇に触れると、予想はしていてもクリームの冷たさに思わず声が溢れる)
(陰唇と陰核に盛られたクリームが、円を描くように愛撫を兼ねて肌に塗り込まれれば)
(屈辱と愛撫されたことで微かに湧き上がる快感に堪え切れずに微かに声が漏れる)
……次? ン……ぃゃっ……くぅっ……。
(昨日と同じであれば、乳首にもクリームが塗り込まれるであろうことは予想できてはいた)
(でも、改めて宣言されながら塗り込まれるのは、追い詰められていくことを弥が上にも自覚させられて)
(乳首への愛撫を兼ねクリームが塗り込まれることに身構えた瞬間、予想もしていなかった左隣から手が伸び)
(ショーツ越しに秘部をなぞられ、陰核を弄られれば甘い疼きが溢れて体がピクリと震え弱々しい拒否の声が漏れる)
くっ……ンゥ……ゃ……く……ん……ンァッ。
(抑揚もなく掛けられる声がこの先のことを暗示させるように不安を煽り、コートのボタンが外され)
(痴漢の腕が細い腰に回され、ブレザーとニットが持ち上げられ、ブラウスがたくし上げられて手が内側に侵入して来て素肌に触れる)
(無意識に腕の動きを止めるように掴みかけるが、約束を思い出し腕に入れかけた力を抜き、諦めて相手の成すが侭に身を任せて)
(純白のブラウスの中で淡いピンク色のブラジャーが持ち上げられれば、次に来る行動を予測して身構えて体を硬直させてしまう)
(痴漢の指先が、秘所への愛撫を受け微かに凝り始めた乳首を三本の指で摘み上げられて)
(乳首を転がし扱くようにクリームを塗り込まれて、指先や爪で弾くように刺激を与えられる)
(何とか堪らえようと試みても、甘い痺れが乳首の先から走って我慢できずに僅かに甘い吐息が漏れる)
最後って……アゥン……ンプゥ……ンンッ。
(陰唇と陰核、乳首へのクリーム塗布で終わると決めつけていて、もう一箇所あると聞き驚き)
(どこかと問う間もなく、後ろの痴漢の指が口内に侵入してきて口蓋部分にクリームを塗られれば)
(驚きのあまりクリームを塗り終え抜けていく、今までクリームが付いていた指先を舌先で舐めてしまう)