<<私達が…感情の生物、人間を管理する…>>
(気づけば自分自身を【人間】とは思わなくなっている自分がいるのだが
それさえも最早自然に受け入れ始めてしまって。そう。自分は…有機物ではないのだ。)

<<大丈夫、私とて対"悪魔"用兵器として生み出された身。
貴女が昨日まで戦っていた"悪魔"との決着はつけますよ?
ダークエンジェル・ナオ……貴女の新たな力さえあればそれも容易いことです。>>
(そう、レギーナは普通の悪魔ではなかった。対悪魔用に開発された、いわば人間が作り出したモノだ)
(どういう経緯を経て堕ちたのかは定かではないが、確実に自身を作り出した人類を憎んでいる。
そしてその憎しみは菜緒に向けられ、今こうして改造処置が施されている。自身にとって都合のよいコマにする為に)

ダーク……エンジェル……それが、私の新しい名前………

(胸元はまるで心臓マッサージをされるかのように激しく脈動する触腕が取り付けられ、直腸からは普通の人間から
レギーナに都合のいい超人へと作り替えるためのナノマシンがドクドクと濯がれ、人間としての肉体が書き換えられていく)
(その間にもレギーナの念が頭の中に染み込み、虚ろな菜緒はどんどん表情が機械的な無表情へと変わっていく)

<<……さて、いかがでしょう?生まれ変わった感想は>>

……………はい…………凄く、身体が…軽い………それに、冷たくて………
私は……ダークエンジェル・ナオ……レギーナ様と共に……人間を、管理し…
この世界から………有機物を……排除……無機物が、統治する世界に……する……
(虚ろな表情で、無機質にそう応える菜緒。身体は人の温かみはなく、まるで機械の様に冷たい。
自身の考えはなく、レギーナにより植え付けられた感情を表に出すだけで)
(更にナノマシンが全身に行きわたれば完全に人から人の形をした何かへと変貌するだろう。)

(此方を見つめるレギーナを、虚ろな表情で見つめ返す。しばらくすると)
拘束が解かれ、ゴスロリファッションに包まれた身体が解放される。カツと靴音を鳴らし
ゆっくりした動作で光を宿さない瞳で虚空を見つめ、目の前の壁が開け放たれていくのをただ見つめ続ける)

<<ダークエンジェル・ナオ……
これから貴女には最初の使命を果たしてもらわなければならないのですから。>>

…はい。なんなりとお申しつけ、ください………

(そして現れたのはつい先ほどナオが見せられた白い処刑室。そう、佳澄が拘束されていた部屋だ。)
(目の前には佳澄が驚きの表情で此方を見つめ何かを語ろうとしているが…最早彼女の声は届かない。)

[ お待たせしました〜】