『汝、病める時も健やかなるときも――』
(光差し込むチャペルの中、厳かに神父の声が響く)
(タキシード姿の男とウェディングドレス姿の花嫁、その前に神父、参列者席には様々着飾った女たちが並んでいた)
(おかしい点は、参列者に男がいないこと、それから、掲げられているのは十字架ではなく五芒星であること)
(粛々と進む儀式、やがて、男は銀色の指輪を小箱から取り出し、花嫁の手を取って――)

(その手が止まると、花嫁を庇うように、闖入者に立ち塞がる)

おやおや、この聖なる場に随分とやんちゃな……
(軽口を叩きながら、うわさに聞く天使の残滓の登場に、まさかこんな時に、とも、来ると思っていた、ともつかない)
(困惑しつつも、取り見出しはしない態度で迎える)
(ざっと、一糸乱れぬ動きで、参列席の女性たちも、闖入者の方を向き……)

【お待たせいたしました、それではこのような書き出しで】
【何かありましたらご指摘ください、よろしくお願いいたします】