>>121
(気配を殺して廊下を歩きだした千歳)
(本当は急ぎたいけど、走ると魔物に見つかる可能性が高くなるから怖い)
…たしか、こっちの方だったよね…
(厨房から遠ざかると、頭の中の声も聞こえなくなった)
(内心ホッとしながら肩を見ると、じっとしていた蝙蝠がまた鳴き始めた)
(千歳の頬に身体を摺り寄せてくる蝙蝠を見て、その場で抱きしめたくなる衝動に駆られてしまう)
(でも蝙蝠の訴えてくるような声に、千歳も周囲に注意を払う)
…魔物?
(千歳は近くにある扉を開けると、その中に入った)

(中はベッドなどがある小さな部屋だけど、幸い誰もいない)
(そしてじっと息をひそめていると、部屋の前を魔物の気配が通り過ぎていく)
こうもりさん、ありがとっ
(ホッとした千歳が肩の蝙蝠に礼を言うと、蝙蝠は近くにあった机にぴょんと乗った)
あ…こうもりさん、どうしたの?
(きょとんとする千歳に、蝙蝠が翼をバタバタしてキィキィと鳴く)
…えと…あ…
(少し戸惑った千歳の頭の中に、何かが閃いたような気がした)
…そうだ、ね…お礼しないと
(千歳は蝙蝠を手に乗せて持ち上げると、そっと唇を近づける)
(すると次の瞬間、こうもりは翼を広げて千歳の頬を挟んで唇を奪ってきた)
んう…ふ、ぅ……ちゅ…ちゅる…
(何故か口を開かないといけないような気がして、千歳は唇を開ける)
(すると蝙蝠はその隙間から千歳の舌をしゃぶって唾液を吸い始めた)
んんっ…ん、ん…ちゅむ…
(静かな部屋の中に、蝙蝠が千歳の唾液をすする音だけが聞こえている)

【おまたせぇ】
【今日なんだけど、17時くらいで凍結したいんだけど大丈夫?】