(しばらく待っていると、扉をこつこつと叩く音が聞こえた)
(さっきの魔物の可能性もあったけど、千歳には何となく蝙蝠だとわかった)
(そっと扉を開けると、隙間から蝙蝠が飛び込んでくる)
こうもりんさん、おつかれさまっ
(肩にとまった蝙蝠の頭を撫でる千歳)
(蝙蝠が体を摺り寄せてくるのを見て、千歳も心を許したような笑顔を浮かべる)
(すると蝙蝠がぱたたっと飛んで部屋の奥にある宝箱の上にとまる)
あっ…すご〜い!
(ぱちぱちと拍手をして蝙蝠を誉める千歳)
(いかにも宝箱といったふうな立派な箱で、どうやら鍵はかかっていないようだ)
(息を整えてから思い切って箱を開けると、中にはいくつかの本が入っている)
えと…これは…
(本の中に分身の魔導書を見つけた千歳)
(自分の身代わりの分身を作れる魔法を使えるらしいのだが、デメリットもあるようだ)
うーん…使い方によってはすごい便利っぽいけど…
(デメリットの部分が気になって、覚えようかどうか迷っている千歳)
(千歳の迷いを察したのか、蝙蝠が胸を張るように一声鳴いた)
…あ…うん、そうだねっ…覚えてた方がいいよね
(蝙蝠の声を聴いた途端、千歳はそれを覚えなければいけないような気になってきた)
分身した方が、戦うときに便利だし…ぼく、この魔法覚えるねっ
(千歳は蝙蝠に誘導されるように、魔導書を手に取って開く)
(そして頭の中に、魔法が刷り込まれていくような感覚)
…うん、これでよしっと
(魔導書を閉じた千歳が、蝙蝠に向かって笑顔を見せる)
こうもりさん…もうこの部屋から出ちゃっていいの?
(武器とかは使えないから、これ以上はここに用事はないような気もする)
【もうすぐ時間だけど、次のお兄さんのレスで凍結にする?】