(千歳のつぶやきに、肩の蝙蝠が賛成を示すようにすり寄ってくる)
じゃあ…いっしょに行こっか
(周囲に注を払いながら、千歳は謁見の間に続く通路を進む)
(以前魔王の食事にされた時に通ったから、うっすらと記憶に残っている)
(だから特に迷うこともなく謁見の間の扉の前までこれた)
ふぅ
(緊張を緩和するように小さく深呼吸)
(ぱたたという羽音に蝙蝠の方を向くと、蝙蝠が口づけをしてきた)
ありがと、こうもりさまっ
(少しだけ身体が楽になって、千歳は蝙蝠ににこっと微笑む)
(すると目の前の扉が、軋みながらゆっくりと開いていく)
(その向こうにいるのは、アレスの面影がある魔王)
(もう後戻りはできないから、千歳はゆっくりと前に進んでいく)
(魔王は話しかけてくるけど、千歳はそれに答えない)
(やはり自分を食べた魔王とまた会うのは怖い)
(でも肩の蝙蝠の羽に頬をすり寄せると、また少しだけ勇気が出てくるような気がした)
はぁ…
(小さく息を吐きながらまた前に出る)
(今度は魔王が選択肢を示してきた)
(もちろん答えは決まっているから、千歳はゆっくりと身構える)
か…敵わないかもしれないけど…ぼくも、約束あるから…!
(アレスとの約束通り、ここで魔王を少しでも
(恐怖で震える足を何とか動かし、千歳はさらに前に出た)
こうもりさま、離れてて!
(このまま巻き込むわけにはいかないから、蝙蝠から離れて千歳は高くジャンプした)
ビッグ…パンチ!
(RPGの常識的に小細工は聞かなそうだから、千歳はビッグで大きくしたこぶしで思いきりパンチを放つ)
【うん、シチュはりょーかいだよぉ】
【今日は17時くらいまでになるけど、よろしくお願いしますっ】