(千歳が撃った爆発の魔法が、魔王の股間で炸裂する)
(という千歳の希望はあっさりと覆された)
うぁっ…!?
(魔王の魔法の盾に自分の魔法を跳ね返された瞬間瞬間、千歳が息をのむ)
きゃぁああっ!!
(身動きのできない千歳は、そのまま跳ね返された爆発の魔法に巻き込まれた)
(全力で魔力を込めた渾身の魔法を、魔法少女の服も防げなかった)
……かはっ…
(魔王に持ち上げられた千歳は、服も吹き飛んで全裸となっていた)
(爆発に巻き込まれ、身体の所々が焦げて薄く煙をあげている)
……ぁ…う……
(熱を吸い込んで喉が損傷したのか、言葉を発することもできない状態だった)
(喉だけでなく、爆風を受けて身体の内部もかなりやられてしまっただろう)
(放っておいても息絶えるのは目に見えているけど、魔王はその前に千歳を捕食したいようだ)
(そして魔王が千歳の股間に食いついた瞬間、千歳の身体がびくんと痙攣した)
あ゛っ…う、う゛……
(もはや痛みは感じていないのか、うめき声を上げるだけの千歳)
(ただ視界の端に蝙蝠の姿を見て、微かに笑ったように見えた)
つ…ぎ…次、は……も゛っと……あが、がっ…ぁああっ!
(ぼりぼりと咀嚼する音が響き、千歳の生身の部分が少なくなっていく)
(そしてその音を聞きながら、千歳の意識はまた闇にのまれていった)
……あ……!
(ふと気づくと、千歳は魔王の間の前にいた)
(さっきと同じように、蝙蝠も千歳の傍にいる)
うん、心配しないでこうもりさま
(言いながら、蝙蝠が足に掴んでいるものを見て少し赤くなってしまう千歳)
(恥ずかしさを紛らわすように、自分の身体を見回す)
(手も足もあるし、火傷も残っていない)
(ただ、さっき食べられたときの、極限の気持ち悪さは残っている)
…次はもっと、頑張る!
(食べられたときに言い切れなかった言葉を口にして、千歳はまた魔王の間に入った)
(さっきと同じように魔王はいた)
(違うのはさっきの戦いの跡と、食べ尽くされた自分の骨)
(また気持ち悪さがこみあげてきた千歳を、肩の蝙蝠が励ますように鳴く)
うんっ…こうもりさま、ありがとぉっ!
(蝙蝠に礼を言うと、千歳は杖をかかげて呪文を唱える)
(唱えたのは自分の魔法の攻撃力を上げる呪文)
(魔王に魔法が効かないなら、必ず効く自分にかけるしかない)
(何度も重ねて呪文を唱え、強化された攻撃呪文を唱える)
いくよっ…ブリザード!
(強化した氷の魔法を魔王に撃つ千歳)
【今度はぼくも少し頭使ってみたよぉ】
【それで時間だし、今日はこれで凍結にするね】
【ぼくは次は明後日来れそうだよ】
【時間多分夜の19時になるけど、お兄さんは明後日は時間ありそう?】