>>199
(千歳が頭を下げると、分身は頷いて魔王の間に入っていく)
(不安げな表情で扉を見つめる千歳)
(そのまま耳をすましていると、中からアレスの声も聞こえてきた)
(胸の奥がチクリとしたような気がして、少し悲しげな表情を見せる千歳)
(本当なら、この役目は千歳がしなければいけなかった)
(それを分身に任せてしまったことに、罪悪感が生まれてしまう)

(そのまま少し様子を窺っていた千歳の肩に、蝙蝠がぴたっと止まった)
…こうもりさま…
(視線を向ける千歳に、蝙蝠は鳴きながら外を示してくる)
…うん、もうぼくにはできること、ないもんね
(そっと立ち去ろうとした千歳の耳に、魔王の間の中から、千歳と同じ声の喘ぎ声が聞こえてきた)
(何が行われているのかは千歳にも分かる)
(扉の方を気にする千歳の肩を蝙蝠が足で掴んで、翼を巨大化させて飛び立つ)
わわわっ!
(驚いて脚をバタバタさせた千歳だけど、すぐに大人しくなって蝙蝠の行くままに任せる)
(開いていた窓から飛び出して、そのまま魔王の城から遠ざかっていく)
…アレスさん…ばいばい
(小さくなっていく城を振り向き、寂しげに呟く千歳)

(そのあと蝙蝠は、魔王の城から身を隠せるような森まで一気に飛んできた)
(そしてゆっくりと着地すると、ふらふらしながら千歳の肩に乗る)
こうもりさま…あんなこともできたんだね
(翼の巨大化のことを、千歳は素直にすごいと感心していた)
あとね…えと…ぼくを、連れ出してくれて、ありがと
(分身やアレス、魔王の事を気にして躊躇していた千歳を、蝙蝠は少し強引だけど連れ出してくれた)
今は、ぼくの肩でゆっくりしていてね
(にっこり笑って、千歳は肩の蝙蝠のもふもふに愛しげに頬ずりした)

【そうかなぁ、ぼく的にはいい感じだと思うよ?】
【あと話すの遅れちゃったけど、今日も23時までだから次のお兄さんで凍結にする?】