(蝙蝠はどうやら魔力の残滓をたどっているようで)
(アレスが帰りに迷わないように、目印となるものをつけていたようだ)
(蝙蝠はそれをたどる様にして飛び、千歳が追いかけてくるのを待ちつつ飛んでいく)
(森の中を歩きながら道に迷わずにいれるのはそれのお陰のようで、蝙蝠はパタパタと飛びつつ…)
(次第に視界が開けて硫黄の臭いがしてくれば、千歳にとっても懐かしい場所が現れる)
(それはアレスと長い時間を過ごした温泉をもとに作ったベースキャンプで)
(アレスとの日々の中で生活に困らないようにと作られた様々な道具がそこにある)
(ここならば、しばらく身体を休めることも十分にできそうで)
キィ♪
(ここは安全そうだと蝙蝠は鳴く)
(アレスの残した魔力の結界があり、ここに動物やモンスターが近寄ることはできないようだ)
(蝙蝠は千歳の肩にパタパタと降りると、嬉しそうに頬に身体を摺り寄せ)
(それからせがむように千歳の唇をぺろりと小さな舌で舐める)
(ここを二人の愛の巣にしようと考えているようだが…千歳にとっては昔の思い出の場所でもある)
(街に降りようと提案すれば、きっと蝙蝠もその提案に乗るだろう)
【うん!こちらこそよろしくね〜!】