>>364
(震えるような声で奏が話してくる)
(千歳の手を握る奏の手にも力がこもっている)
(千歳からは見えないけど、奏も後ろからお尻を触られているのだろうか)
……っ……ううっ…
(でも千歳にはそこまで考えるような心の余裕はない)
(お尻を掴む手の感触に、身体を硬直させるばかりになっている)
(そんな千歳の励ますかのように、奏がまた話しかけてきた)
ふ、ぅっ…うんっ…そ、そうしよ…ぅんんんっ!
(お尻の撫でていた手の指が、千歳のお尻の穴をつついてきた)
(声を出しそうになって、慌てて繋いでいない方の手で口を押える)

(電車のモニターに次の停車駅のアナウンスが流れた)
(そこが目的の駅なのか、奏が降りようと話してくる)
(寄り添ってくる奏の体温が千歳に安心感を与えてくれる)
(こわばった顔に笑顔を浮かべて千歳が頷いていると、電車が徐々にスピードを始める)
(奏の言葉に頷いて、千歳は出口の方へ行こうと身体の向きを変える)
(目の端に千歳を触る男の人が映るけど、怖くてそっちは向けない)
か、かなちゃん、い、行こう?
(千歳も奏の手を握り返し、人込みをかき分けて進もうとする)

【うう…ここではっていうのがかえって怖い…】
【あ、ぼくだけど、今日は23時までお話しできるよぉ】