>>483
(海家に着いた奏が、元気な声でヤシの実ジュースを注文する)
わわ…本物?
(普通のカップに入れたジュースかと思っていた千歳だけど、本物のヤシの実出てきて驚く)
(店の人がヤシの実に穴をあける様子を食い入るように見つめ、それを笑顔で受け取る)
(奏と一緒にベンチに座って、手に持ったヤシの実を見る)
うん、冷たくておいしそう…!
(思わず唾を飲み込み、そっとストローを咥える)
ん……
(喉をこくりと動かして、ヤシの実ジュースを何口か飲み込む)
(隣で飲んでいた奏が感想を聞いてくると、千歳はストローから口を離して頷く)
ぷは…うん、ぼくは美味しいと思うよぉ
なんだろ…初めての味だから、うまく言えないけど…
(確かに奏の言う通りスポーツドリンクっぽいかもしれないけど、その場の雰囲気もあってとても美味しく感じた)

(ジュースを美味しく飲み干して、2人でまた海へと歩いていく)
ねぇねぇ、お昼はどうしよ?
(いったん着替えてどこかに食べに行こうか)
(そんなことを考えていた2人の前に、男の人が2人立っていた)
あ…
(表情を曇らせて後ずさる千歳の前に奏が立って、ナンパを断っている)
(そして2人を向こうへ追い返そうとしていたその時、片方の男の人が奏を車に連れ込んでしまった)
っっ!!
(突然のことに声も出ない千歳)
…か、な…ちゃん…
(すこしすると、連れ込まれた車がぎしぎしと揺れ始める)
(呆然としている千歳の前に、もう1人の男の人が立ちふさがった)
あ、あ…
(膝を震わせながら、それでも少しずつ後ずさる千歳)
(そして勇気を振り絞って、さっきの海の家の方へ逃げようとする)
(店員の人に助けを求めれば、何とかなるかもしれないと思った千歳だった)

【いちおー逃げようとするけど、普通に捕まえちゃってもいいからねぇ】