(アトリエへ歩きながらおじさんが話しかけてくる)
えへへ…おじさんありがとっ
(以前は外に出るときは男の子のカッコだったけど、おじさんのモデルをする時は女装をするようになった)
(おじさんがいつも可愛いと言ってくれるのが嬉しくて、着こなしも前よりもうまくなってきている)
(なによりも、おじさんと一緒にいるときは、歩く姿やしぐさとかも女の子っぽくなってきていた)
(体つきがもともと華奢だから、こういうふうに女装すると同級生でも分からないかもしれない)
(隣のおじさんが手をつないできた)
ぁ…
(小さく声を上げた千歳は、恥ずかしそうにそっと大きな手を握り返して歩いていく)
(自宅からそんなに離れていないところにおじさんのアトリエがある)
(外からの見た目は普通の民家っぽいけど、中は改装されている)
(一緒に中に入ると、ぽかぽかとあったかかった)
(おじさんがあらかじめ温めておいてくれたらしい)
うんっ、あったかい!
さすがおじさんだねっ
(寒さから解放されて嬉しそうな千歳)
(案内されてアトリエに入ると、おじさんがストーブの準備を始める)
(千歳はというと、脱いだコートを手に持って傍の椅子に座った)
(さっきまで来ていたメイド服はいちおう持ってきているけど、他の服を着る事になるかもしれない)
(ちょっとドキドキしながらおじさんの指示を待つ千歳)