(冷蔵庫からオレンジジュースを出すおじさん)
(それをコップに注ぎながら、おじさんはいいわけするように話してくる)
(光の加減かどうかは千歳には分からない)
(でももしも想像でここまで描けたのなら、それはそれですごい事のような気がする)
(一瞬信じかけた千歳だけど、おじさんの方が先に本当のことを白状してきた)
もぉ…今日のおじさん、ちょっとえっちだよ
(千歳も困ったように頬を指で?きながら、もう一度スケッチを見る)
(見れば見るほどに、精巧に描きこまれた千歳のおしり)
(スケッチなのに、何となく艶めかしさを感じてまた恥ずかしくなる)
(それと同時に、おじさんの目には自分のおしりがこういうふうに見えていたのだと思うと、少し嬉しさも感じる)
ごほん
(スケッチに見とれていたことに気づいて、慌てて咳払いをしておじさんに向き直る)
で、でも…こういうふうに、綺麗に描いてくれるなら…ちょっと、嬉しいかも
(小さな声でつぶやいてから、恥ずかしさを隠すように椅子に座ってジュースを飲む)
(冷たいジュースを飲んで、恥ずかしさで火照った身体も治まっていく)
ふぅ
(あのままだとちゃんとモデルができるか心配だったから、とりあえず落ち着けて一息)
ごちそ…わわっ!?
(コップを返そうとした千歳の手を、おじさんが掴んで引き寄せてきた)
は、はうっ…おじ、おじさんっ…?!?
(突然のことに瞳を見開いて、口をパクパクさせる千歳)
(そのまま抱きしめてきたおじさんが、千歳の顎に手を触れて持ち上げる)
…っ…あ、あのっ…
(顎を持ち上げられて、おじさんと間近に見つめあう形になる千歳)
(想像もしなかった事態に、心臓が異様な速さで脈打っているのが分かる)
(見つめったまま徐々に近づいてくるおじさんの唇)
っ…だ、だめじゃ、ないけどっ…かお、近、ぃ…
ふ、ぁっ……!!
(思わず瞳を閉じた千歳だけど、おじさんの唇は触れずに離れていく)
(おじさんの手が離れた瞬間、千歳の身体から力が抜けてその場にへたり込んでしまった)
(夢のようにも感じた一瞬だけど、早打つ胸が夢ではないことを伝えてくる)
………
(何を言ったらいいのか分からなくて、千歳はただ頬を赤く染めながらおじさんを見上げていた)
【うん、ぼくの方こそお願いしまぁす】