「俺の名前か?なんだよ、お前も物忘れか?俺はフロガーだ」
「剣折りのフロガーって呼ばれてたんだが、今ではしがない料理人だ」
(やれやれと肩をすくめると、千歳を見据えたまま頷く)
「魔王様と?魔王様ならいつもの謁見の間に今日もおられるはずだ」
「ただ最近は呪いのせいで随分力を失っているようだな、もうすぐ戻ってくるとは言っていたが」
(フロガーは魔王のことについて話を続けている)
(どうやら魔王は以前の戦いのさいに魔法少女といわれる勇者に敗れ、その魔法少女の魔法で半身を封印されてしまったらしい)
(それで今は半身を探して魔王軍は散り散りになっており、半身が戻れば完全に復活することができるというのだ)
「魔法少女ってのがもしまだいるなら、殺しておく必要がある」
「もしお前も見つけたら魔王様への貢ぎ物にぴったりだぜ」
(フロガーはへへへっと笑うと、果物のジュースを千歳の前に持ってきて)
「人間に近い種族はこれが良いっていうもんな、果物のジュースなんだが…」
(ジュースとフロガーは言っているが、明らかに酒の匂いがしており)
(魔王軍の魔物たちにとっては、それがジュースという扱いのようだが…千歳が飲めば確実に酔ってしまうだろう)
「魔法少女を見つけたらどんな料理にしてやるか」
「何でも前に来た魔法少女は丸焼きにしたらしいけど、かなり美味かったって話だ」
「小便はジュースみたいに飲めるんだとよ、うんこまで食えるっていうんだから不思議なもんだよな」
「魔力が大量に含まれてるから、その前の魔法少女を食ったことで魔王様の半身が復活してるんじゃないかって話だが…」
(フロガーは言いながらうーんっと顎に手を当て)
「俺も丸焼きが良いな、丸焼きなら尻の中に食材を詰め込んで…」
(千歳が魔法少女であると気づいているわけではないようだが、どんな風に食べたら美味しそうかと本人に向けて語り掛けている)
(千歳がここで負けた時、待っているのはその結末だけだということを強く意識させ)
【ただいま!出来上がったものも置いておくよ!】