>>87
(千歳の質問に魔物が名前を教えてくれる)
あ、あーそーだっ、フロガーさんだったねっ
(ポンと手を叩いて頷き返す千歳)
(フロガーと名乗った魔物は、千歳の次の質問にも答えてくれた)
(それによると魔王は謁見の間というところにいるらしい)
謁見…
(小さく呟いてまた考える千歳)
(魔王の居場所は分かったけど、その謁見の間がどこにあるかは知らない)
(でもそこまでフロガーに訊いたら、さすがに怪しまれるかもしれない)
(千歳が考えている間にも、フロガーは話を続けている)
(どうやら魔王は前にも魔法少女と戦って、それ結果半身を封印されているらしい)
(そして失った半身を探すために魔物たちが各地に散っているそうだ)
ふぅん…そ、そーなんだぁ
(思ったよりも魔物が少ない事に納得がいき、うんうんと頷く千歳)
(でも魔法少女が魔法少女の標的になっていると聞いて、少し緊張してきてしまった)
(するとフロガーがジュースに似た飲み物を持ってくる)
あ、ありがと
(緊張をほぐそうとして、千歳はそれをよく確かめずにごくごくと飲んでいく)
…けふっ
(少し苦みと甘みがあるけど、飲めない味ではない)
(魔物が作る飲み物だから、多少味が変かもしれないと思って特に気にしないで飲んでしまった)

(飲み物を飲む千歳に、フロガーの話は続いている)
ま…丸焼きに、するの…?
(一瞬背中がぞわっとした)
(話を聞けば聞くほど、千歳は心が重くなっていくのを感じる)
(もしも自分が魔法少女だとばれてしまったら…フロガーの話のように殺されてしまうのだろう)
そ、そ…そうなんだ…じゃ、じゃあ…あ、れ…?
(ぐわんと視界が揺れて、千歳は頭がくらくらしてくる)
(身体の中から熱いものがこみ上げてきて、頭の先まで火照ってきている)
あふ…なん、だか…身体、ポカポカするぅ
(自分がお酒で酔っている事がわからなくて、もうろうとした意識でふらふらしている)
ぼく…熱、出ちゃった、のかなぁ…
(ふぅとため息に似た吐息を出す千歳は、年齢に似合わない妙な色気があった)

【ただいまっ!遅れちゃってごめんなさい!】