紹介……?
彩くんと一緒にやれるなら……私…………少しやってみたい……かな
(彩文と一緒に活動できるならという前提の元であれば紗枝は好意的な反応を見せていた)
(一応彩文が隠そうと見せていた手前彩文がモデル活動をしていることについて詳しくは知らない体で話していた)
えっ…………良いの……?
(彩文を女の子扱いしてしまったことに対して謝る紗枝だったが、彩文は二人きりの状態であれば良いと言われて少し驚きの反応を示す)
わかった……彩くんが良いっていうなら……ね…………それとも『彩ちゃん』って呼んでみた方が良いかな…………?
(彩文に気を使いながら言葉を選び話していたが、それでもどこか二人だけの秘密を得られたことによる充足感を得ていた)
スキニーもお店に行ったら……試してみるね
(無論紗枝にとって服を買いに行くということもあまり経験はなく、試着も経験はなかったためほぼ未知の領域のことに思いをはせていた)
それじゃあ……よろしくね
私も…………私なりに探してみるね
(目的の店に到着すると彩文はこわばった面持ちと口数も少なくなり、明らかに店に入ることに対して何か緊張している様子を見せており紗枝はそんな彩文の緊張を和らげるように手を握っていた)
詳しくなくても大丈夫……彩くんに選んでもらったっていう事だけで十分幸せだから……
(紗枝自身もこの年頃の今を生きる人間のファッションなどには疎く、更に付け加えるのであれば彩文が選んでくれたということに重きを置いていたためその言葉に偽りはなかった)
結構色々あるんだ……
(紗枝が情報を得ていたのは雑誌や道行く人々の服装などから得たコーディネートを模倣してアレンジしたモノであり服をそれ単体で商品として大量に陳列している風景を見るのは現代社会では初めてで、純粋に好奇心に目を輝かせながらその店内を見回していた)
……
(おずおずと陳列されている服を見繕い、どれが自身や彩文に似合っているのかなどを考えながら店内を二人で歩き回り服選びをしており、その姿ははた目から見れば二人の女友達が新しい服を買いに来たようにも見えていたのだろう)
あ……結構かわいいデザインだね
(彩文が選んだ服は女性らしい肩口の膨らんだ袖の服やフリルが多めについた服で実に少女らしいデザインの印象を受ける服が多かった)
(そして、彩文が提案し渡してきたのは膨らみ袖にフリルの多いワンピースで可愛らしい印象を受けるデザインのモノであった)
私……どうしても自分のモノを選ぶと質素なものを選びがちになっちゃうから…………こういうのも新鮮だね
(彩文も店に入る直前と比べると店内に入って以降少しずつ楽しげな表情に移ろいでおり、店員に試着を促された時にそのことに気が付いたのか頬を紅潮させていた)
一応私も少し選んでみたんだけどどうかな……?
(彩文が紗枝の服を選んでいた最中、紗枝も自身や彩文の服を見繕っておりいくつかの服を渡す)
(紗枝が選んでいたのはシフォンブラウスやパフスリーブのカットソー、襟元や裾にレースの装飾が施されたリネンのボタンシャツなどの柔らかく余裕のある印象を受けるトップスとそれらを引き締めるようにスキニージーンズと普通のジーンズの二種類を選んでいた)
幾つか彩くんのサイズに合いそうなものも持ってきたけど……試着……してみる?
(先程彩文からは二人の時であれば『そういった扱い』も良いと言われたが少し不安げな様子でそう提案する)
あ……あの……機嫌……悪くしちゃったら…………ごめんね?
一応……彩くんが着ても多分違和感があんまりないようなものを選んできたから……
(店に向かう道中で見せていた彩文の反応や服を選んでいた際の表情などからそういったことも徐々に抵抗は薄れてきているのだろうと予測していたが、あくまで自身の推測のため紗枝は自信がない様子を見せていた)
私……試着…………してみるね?
(まずは自分から行動しなくてはと思い紗枝も店員に話しかけると試着室へ向かい、紗枝は彩文が選んだワンピースに着替える)
(カーテンの隙間からは紗枝が着ていたデニムのミニスカートが落ちる様子や脱いだ洋服を畳んで足元に置いている様子が見え、しばらく衣擦れの音が聞こえた後カーテンを開けてワンピースを着た姿を彩文に見せる)
どう…………かな?