>>117-118
えっと……自分がどういうのが似合うのか、よくわからないから……ね
服とかは……そこまで目立たないものを選んでたから……
(真実と虚構を混ぜてそう語り、紗枝は彩文が選んだ服を受け取ると店員の後に続いて試着室へと向かう)
(店員が彩文から紗枝へとワンピースの試着を促す様子を見ると一瞬残念そうな表情を浮かべていたのを見ていたが、その場では特に何も言わずにいた)

……そう、ならよかった
(彩文へ選んだ服を渡した際機嫌を損ねていないか不安げに伺ったが、それは紗枝の杞憂だったようで彩文は快諾して柔らかな笑みを浮かべており紗枝も安堵の息をついていた)
彩くんも……私が終わったら着替えてみてね
(試着室で彩文が渡したワンピースに着替え、彩文に声をかけると彩文は容姿も相まって服も引き立っていると伝えて嬉しそうな様子でいた)
嬉しい……ありがとうね……
……
(彩文からも良い反応を得られると試着室に設置してある姿見で自身の姿を確認したり、軽く一回転して自身の服装を再度確認する)
(レースやフリルのついた服自体はサリヴァーンが着ているようなゴシックドレスのような形式のモノであれば多々着た経験があるが、こういったカジュアルで可愛らしい服といったものについては紗枝も初めての体験であり、楽しげな様子を見せていた)
次は彩くんの番……だよね
(一度私服に着替えると彩文へ声をかける)
(彩文自身もどこか楽しそうな様子で返事をしており、紗枝が入っていたところの隣のブースに入っていくところを見届ける)
(そしてその最中、紗枝は近くにいる店員に声をかけると自身が持つ彩文が選んでいたワンピースをもって何かを話す)

うん、すごい似合ってると思う……
彩くんのことをイメージして選んできたけど……実際に着てもらうと、とっても似合って見えるよ
(パフスリーブから伸びる白い腕や柔らかなトップスと対比するようにボトムスのすらりと伸びたスキニージーンズの親和性はやはり紗枝が想像していた通り彩文が着るとその性格も相まって快活な少女のような印象をより強く受けていた)
(カットソーは淡い色使いのモノを選び、スキニージーンズは濃紺の物を選ぶことでそれぞれの部位が与える印象もより強く感じており、その足周りも履いていたチノパンに比べいくらか快適そうな印象を受けていた)
女の子の服でも彩くんらしさが出てて……可愛い? っていうのかな……
とっても彩くんに似合ってると思う
(頬を赤らめて似合っているか尋ねていた彩文に紗枝は熱意を込めてそう伝えていた)
上は…………彩くんの胸が窮屈にならないように……柔らかいものを選んで……、下はやっぱり……彩くんも好きって言ってたものを選んで…………サイズとかも何となくつかめたからあってた良かった……
(彩文体内で滾る劣情を晴らす際などに幾度となく触れたこともあり、彩文の服のサイズなどは大まかに予想がついていたため大きすぎたり窮屈になってしまうことも避けられていたようでどこか安心した様子で、それでいて嬉しそうな様子で紗枝は語る)
どう……彩くん…………見たところは…………チノパンを履いてた時に比べると……楽そうに見えるけど……
スキニージーンズは……女の子用の方で大丈夫そうだった……?
(彩文の手を取る様に近づくと耳打ちで静かに、一応彩文の心は男の子という建前もあって窮屈ではないか確認する)

(彩文の試着も確認し終えると、紗枝は店員から新たにカゴに入れられた服を持っており、彩文に声をかける)
あ……彩くん、あと……もう一着
さっき彩くんも少し着て見たそうな様子……してた気がしたから…………ちょっと店員さんにお願いして……彩くんの大きさに合うやつも…………見てもらってきたの
(そう言って紗枝は自身に渡されたものと同デザインのワンピースであるが、彩文の身体のサイズに丁度合うものを手渡す)
私も……さっき彩くんが似合うって言ってくれたスキニージーンズ…………履いてみるから……それも見てみない?
私……先に着替えてみるから…………彩くんも……嫌じゃなければ…………ね、着てみてくれると嬉しいな……
(紗枝はそう告げると試着室にスキニージーンズとシフォンブラウスに着替えて彩文の方を待つ)