うん、その時はよろしくね。
(また一緒にお店に行く約束をして、紗枝までとは言わなくても少しでも髪が伸びれば良いなと思っていた)
紗枝ちゃんでも動転することあるんだね。
いつも落ち着いてて大人びてるから、ちょっと新鮮。
(勘が鋭ければ、紗枝の物言いがサリヴァーンに似ていると関連付け出来たのかもしれないが)
(その辺の勘が鋭い方ではない彩文は気づかず、いつも大人びで落ち着いた紗枝が慌てている事を発見して楽しそうな笑みを浮かべただけだった)
分かった、決まったら一番最初に教えるね。
(笑顔で応えながら、もう男性に戻る目が完全にないのなら「あやふみ」ではおかしい気もしていて)
(家族と話さないといけないが、「あや」か「ふみ」または母親が一番押しそうな「さあや」に落ち着くような気がしていた)
ありがとう、紗枝ちゃん。
心強いけど、味方は一人でも多い方が良いかな。
(何となく平穏には済まない気がして、当然茶化したり拒絶もあり得る話で身体を少し緊張しつつ)
(紗枝が完全に味方で居てくれることは嬉しいが、仲の良い友達にもそのまま味方で居て欲しいと思っていた)
……ンぁ……ハゥっ……ちょっと……ン……恥ずかしいね……ァンゥ……。
(愛撫を受けたまま強く抱き締められ、「ちゃん」付けで呼ばれると身体がピクリと少し緊張して)
(自分でOKしたものの、まだ男子の意識も強く残っていて気恥ずかしさを感じていた)
うん…………なんか夢中になっていて……いつの間にかこんな時間になっちゃったみたい。
そうだね、もし強い匂いが残っていてジロジロ見られるのも嫌だし……。
(精神的な満足度と裏腹に、身体は気怠く紗枝と並んだまま全裸で窓の外か徐々に赤みを濃くしていくのを見ながら)
(まだ股の間は二人の愛液で濡れていて、薄く膨らんだ胸にもディープキスで交換し合った唾液が雫のように垂れていて)
(自分たちは麻痺して匂わないエッチな匂いや汗の匂いが周りを不快にさせるのも、好奇の目で見られるのも嫌ではあり)
そうだね……残念だけど、今日はこのまま解散にして……また今度にしよう。
(紗枝の言葉に頷き、もっと色々と巡ってみたかったと心を残しつつ、解散に同意してゆっくりと身体を動かし立ち上がろうとして)
……それなら良かった。
ボクは人通りの少ない安全な裏道も知っているけど、紗枝ちゃんは大丈夫?
(脱ぎ、脱がした服に匂いや染みが無いのを確認してくれた紗枝に笑みで応えて)
(帰り道は目立たないように帰る自信はあったが、紗枝の帰る方向の方が人通りは多く心配して)
……ありがとう紗枝ちゃん……ンぁ……ぁンッ……そんなにしたら……ン、ンン……。
(まだ女の子になりたての為か、それともそういう体質なのか、淫紋の為かは分からないが)
(紗枝が柔らかな感触のハンカチで身体を拭ってくれれば、また微かに快楽が湧き上がり嬌声を漏らしてしまう)
あっ、上は最初に着てた服で……、ズボンは………………新しいのにする。
(快楽に少し上気した顔をしながら、トップスは最初着ていた服を即決で選択するが)
(ボトムズのズボンは最初のを取り脚を通して腰まで上げるが、やはり動きづらく感じて)
(すぐに脱いで動き易さを感じた新しい方へ穿き替えて建物の外に出る)
少しだけ屋根が変形してる?
…………じゃあね、紗枝ちゃん。また学校で。
今日はありがとう。
(金属製の屋根が少し凹んでいるのを見ると、結構ギリギリだったんだと眉を顰めるがどうしようもなく)
(紗枝に付き合ってくれた礼を言って手を振り自分の家の方向へと駆けて行った)
(次の週になると、彩文は学校を三日間連続で欠席していて、四日目にようやく出席して)
…………紗枝ちゃん、おはよう。
(まだ男子の制服のままであるが、顔の印象は完全に少女になっていて、どことなく緊張と元気のなさを感じさせた)